大人って、社会って
もっとちゃんとしたモンだと思ってた。
面白くもないのに、なんとなく垂れ流されていた毎朝のニュース番組も、大人になったら理解できるんだと思ってた。
世の中の仕組みは、立派な大人たちによって
ちゃんと統率されていて
一遍の狂い無く、機械のように機能しているのだと思ってた。
大半の大人が善良で、真面目で誠実で
ちょっと規則や決まりごとに厳しいけれど
悪い事する人は、マンガに出てくる悪役みたいに
決まりきった数人の配役だけだと思ってた。
大人になったら分かること。
子供の目線なんかじゃ、なんにも見えてはいなかったのに、想像で補って知ってるつもりになっていた。
子供には気づかれないように、キラキラした常識の布を被せていただけだったんだ。
多少の悪事やしでかしも、沢山の大人に守られ、許されていたから「てへぺろ」で済んでいたんだ。
子供の前では、本音を隠して辻褄合わせに体の良い嘘を囁いていただけなんだ。
子供の時は、多少の不都合も理不尽も、眠って起きれば受入れて生きていけるような強さを持っていたんだ。
大人になって、その高くなった目線でようやく見えた世界はどんなだろう。
我儘で利己的で、ズボラで強欲で、いい加減で嘘つきで、見渡す限り残念で残酷で悲しい色の雨が降り注ぐ。
それでも、子供に後戻りすることもできなくて
せわしなく生き急ぐ大人達の裾を
ぎゅっと掴む子供の自分が優しい瞳で見上げるから
時々優しくもなれるのだ。