ターミネーター2 | 今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

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備忘録としての読書日記。主に小説がメインです。その他、見た映画や美術展に関するメモなど。

1991年 アメリカ
ジェームズ・キャメロン 監督
原題: Terminator 2: Judgment Day


ターミネーター・シリーズでは、ストーリーとスケールにおいてこのT2が最高だと思います。マイケル・ビーンが出演しないのは残念ですけれど(ノД`)・゜・。ターミネーターのシュワちゃんは健在、しかも今度のシュワちゃんはサラとジョンの味方!キャメロン監督ってばなんていう仕掛けを考え付いたのでしょう。やっぱり天才!(笑)

前作で愛し合ったカイルとの間に息子ジョンを授かったサラは、来たるべきJudgment Day、1997年にスカイネットが起こす核戦争に始まる機械vs人間の戦争への警鐘を訴える一方でジョンを未来の指導者に育てるべく、世界中を点々としながら軍人や地下活動家、過激派など戦闘と武器のスペシャリストの男たちと次々と付き合っていき、ある日アメリカに戻った途端に精神異常の危険分子として警察病院へ収監されてしまい、ジョンは養父母の元で生活していました。てか1997年!もう核戦争から20年も経ってるはずなのか!(=_=;)

そんなある日、またしても今度はジョン本人の命を狙ってめっちゃ進化した最新型ターミネータT-1000型が送り込まれます。阻止すべくジョンが送り込んできたのは、今度は人間ではなくリプログラムされたT-800型ターミネーター。よりによって、なんで前回の暗殺者と同じ顔のターミネーターを、ジョンさん・・・と思いますが、まぁT-800型のデザインはシュワちゃんタイプのみだし、入手できたのがT-800だけだったのだからやむなしということで。


少年ジョン役として本作でまさに彗星のごとくデビューした美少年、エドワード・ファーロング。当時大人気だったレオナルド・デュカプリオをもっと繊細に美形にして透明感まで加えちゃったような眩し過ぎる容姿と存在感に世界中がびっくり。この先いったいどんな美青年、美男子、、、と成長していくんだろう・・・とワクワクしたものですが・・・ハリウッドは本当に恐ろしい魔窟(>_<)。大好きなゲイリー・シニーズの「CSY:NYK」で因縁のサイコ・キラー、ショーン・ケイシーとして登場した時には、まさかこのジョンと同一人物とは信じられませんでした・・・Σ(゚Д゚)。


サラの収監で、それまで自分が信じていた世界がすべて狂人の母の妄想だったのかと傷ついていたジョンですが、シュワちゃんの登場で母がいつも話していたことは全て事実だったと知って喜び、サラの救出に向かう2人。前作同様、あまりにもロボットらしいシュワちゃんですが、ジョンとの会話でどんどん人間について学習していき、忠実なジョンの庇護者ぷりもどこか人間ぽさを見せるようになって、愛嬌すら感じさせるようになっていくのが絶妙です^^。まさにジョンにとって完璧な父親で、保護者で、守護者。サラも感心、安心。


厳重警備の精神病棟にいる間も毎日筋トレをかかさないサラさん。か弱いウエイトレス時代の影も形も消え、めちゃ本気の武闘派ママに。Judgment Dayをもたらすスカイネットの開発者の情報を守護神ターミネーターから聞き出したサラは、スカイネットの開発自体を阻止するため、かなりの武器一式を持って1人、開発担当者の元へ突っ走ります。いくらJudgment Dayを防ぐためとはいえ、無自覚な人間を殺すなんてとんでもない!ママが殺人者になっちゃう!とジョンもシュワちゃんを連れて慌てて追いかけるの巻。


それにしても、T-800からT-1000への技術革新がもの凄すぎます。シュワちゃんのロボっぷりも満点でしたが、T-1000役のロバート・パトリック氏の氷の無表情仮面ぷりもマジ怖い。しかも、機械の骨格+生体組織のT-800と根本的に構造が違う。形も質感も変幻自在の液体金属って、そんなの反則でしょっΣ(・ω・ノ)ノ!


マシンガンでガンガン撃って穴だらけになっても、顔がまっぷたつに割れても、液体だからすぐまた元通り。武器もたなくても、身体の一部が一瞬で超鋭利な刃物になるし。


自分の体積分のサイズになら、人以外のどんな形にも変化できる・・・って、風呂敷みたいにペターって広がって廊下の床タイルにカメレオンもできるんだから、もう誰も信じられないどころか、安心できる場所がない。液体だからほんの少しの隙間があればどこにでも侵入できるし、鉄柵なんてまったく意味ないし。液体窒素で凍らしてバラしても過熱して溶けたらまた液体のツブが集合して元通り。一体どうやって息の根を止めろっていうのー。最後、溶鉱炉にぶっこんで終わりですが、あれで本当に始末できたのかなぁ?と疑心暗鬼・・・。

1作目以上に、”自己犠牲”の要素が大きいのも、(哀しいけれど)ストーリーに深みを加えている要因ではないでしょうか。自分の研究が恐ろしい結果を招くことになると理解したサイバーダイン社の研究者マイルズ・ダイソン(ジョー・モートン)は、自ら危険を承知で自分の心血を注いできた研究資料とサンプルを破壊するためにサラたちに同行して、最後は自らを犠牲にして正義を貫きます。そして、理論上はあり得ないこと、機械であるT-800まで人類の未来の為に自らを消滅させようとします。


「自分ではできないから、ボタンを押してくれ」とクレーンの乗降スイッチをサラに渡すシュワちゃん・・・そして最後の最後のこのシーンは、切なくて泣けます。出来ればずっとジョンの側にいて、見守り続けて欲しいと思ってしまいますが、ダイソンがあともうちょっとでスカイネット開発するところだったのはそもそも前回サラがスクラップにしたT-800のアームとICチップが極秘で確保、研究されていたから。シュワちゃん自身のボディとICチップも処分しないとまた同じことが繰り返されてしまいます。

・・・とはいっても、パーフェクトマシンのはずのT-800にしてはあまりにも迂闊ですが、少し前のT-1000との格闘でもぎれた片腕が、まだその辺の機械に挟まって残ってるよーおーい。と気になって仕方がない。そして、ダイソンとその研究データが消滅しても、どちらにせよ嫌でも科学技術は進歩していくしスカイネットの新しい可能性は消えないはず・・・とはいえ、シュワちゃんがジョンとの関係性を築き、絆のようなものまで生まれ、なおかつ命の尊さまで理解できたことは別の可能性への希望も感じさせてくれる、最高のエンディング。もうこれで、ターミネーターは完結、で十分満足できる仕上りでした。