『これであたしたちも今年中に彼氏できるよね♪』
買ったばかりの朱色のお守りをかざしながら
はしゃぐマイ
先日の女子会でのこと
伊勢神宮参りをした数ヵ月後
数年ぶりに彼氏が出来たと
可南子が報告してきた
もうすぐアラサーの仲良し5人
女子会メンバーのうち一人は去年結婚
1人はながーく付き合ってる彼氏持ち
そして可南子も彼氏ができ
マイと私はイナイ歴・・・何年だろう・・・
可南子の話にガツガツ食い込んだマイが
すべてセッティングしてくれて、連休を利用して出かけた
お伊勢参り(恋愛成就祈願)の一泊二日
静かに流れる透きとおった五十鈴川も
幾重にも広がる緑も
新しく完成した宇治橋
歴史をたたえる厳かな雰囲気
都会に身をおく私にはすべてが新鮮で、
心洗われるすがすがしい気持ちにさせてくれた
『ふぅ・・・』
深呼吸が本当に心地よかった
『ちょちょちょちょ!今ちょーーーーカッコイイ人いた!!』
トイレから戻った騒がしいマイの声に
現実に引き戻されるw
『外人?いや、ちょっとハーフっぽかったなぁ♡』
『こーんな早くご利益ってあると思うぅぅぅ?(〃∇〃)』
すっかり舞い上がるマイの後ろを歩く
『いた!あの人あの人!』
小声で小さく指をさす方に 視線を向けると
モデルのような背の高い男性
カメラを構えている後ろ姿がみえた
Tシャツにチノパン、真っ赤なキャップ
シンプル過ぎるくらいのその格好は
正直イモくさかった・・・が
すべて彼の足の長さや
バランスが良すぎるスタイルがそうは見せなかった
そして、こちらに気づいた
《顔、ちっちゃ》
おまけに王子様のような目鼻立ち
同じ人間とは思えないような男性だった
こちらと目が合ったので
口角をあげ少し会釈をするような仕草で
また歩きだしたその男性は
ゆっくりと石の小道に消えていった
『やっぱ声かければよかったな~』
さっきの王子様との出会いをぶちぶち言うマイと
おかげ横丁をのんびり散策する
ここにきたら名物の餡たっぷりのあのお餅を
食べようと賑わう店内へ・・・
川の見える席に運よく座れた
座ったとたんに服を引っ張られる
『運命ーーーーー!!』
隣に座ったマイが小声で叫ぶ
『?』
何が運命なのかわからないまま
マイの目配せで向こうみて!の合図
数人の席を挟んだ少し開いたスペースに
赤いキャップが見えた
さっきお伊勢さんで見た王子様だった
これも運命なのか、偶然かはわからないが
となりのご婦人たちがいなくなったので
横並びのベンチの席を
大幅に王子様のほうに移動したマイ
あわててバッグを持って一緒に移動
『あの~日本語話せますか?』
とうとうマイが声をかけた
赤いキャップの王子様はビックリする様子も見せず
『少しだけ話せます』
と、お茶をすすった
それから矢継ぎ早にマイの軽い質問攻め(笑)
幼少期からいろんな国で生活し
今は仕事で東京に住んでいるらしい
休日を利用して前から興味のあった
お伊勢参りに来てみたんだとか。
あまりにもおいしそうにお餅を頬張る王子様に
『甘いもの好きなんですねw』
おもわず私まで声をかけてしまった
『ハイ!やわらかいオモチ!サイコーです!』
親指を立ててニッコリ微笑んだ
彼の後ろにキラキラと星が見えた気がした
つづく
*フィクションです(笑)
↑だろーねw
