暑い・・・
残暑とはいえ、駅から少し歩いただけで
背中にシミができるほど、汗が噴き出す
日傘をとじ、自動ドアを開ける
一気に冷たい空気が全身を包んで
ため息が漏れた
額から落ちそうな汗を押さえながら
淡い色の和菓子が品よく並んだ
涼しげなショーケースを覗きこむ
義母が好きな餡蜜と・・・
《何にしよう…》
暖簾の奥から人影
『いらっしゃいませ』
と声がかかった
ショーケースを覗いたまま
お薦めを聞いてみる
『今の時期なら水羊羹、わらび餅が人気です!』
低く元気な声の主に、ショーケースから思わず目を離す
人懐っこい、真っ白な歯がむき出しな笑顔
白衣に身を包んだ、おっきい男の・・・コ?
(⌒皿⌒)
ニヤニヤ?見下ろされてる・・・
ここ2年前くらいからお気に入りで数ヵ月に
一度の割合で足を運ぶ和菓子屋だが
はじめてみる青年だった
『それじゃ、餡蜜二つとわらび餅
小さい箱の一つください』
『はい!ありがとうございます!』
さらに元気よく返事が返ってきた
おっきい体を小さくしながら
和菓子を詰める背中・・・
白いズボンのお尻のポッケの裏地が
片方だけ、全部飛び出てるwww
端整な顔立ちからは似合わない
ちょっと間の抜けた後ろ姿に
《ふ…♡(^ー^)》
思わず笑みが漏れた
瞬間、
見られた!!
包み終わった背中が、こちらを向いていた
目をクルクルさせて首を傾けた
『どうかされましたか?』(⌒皿⌒)
『い、いえ…』
そう言うのが精一杯だった
カッと顔が熱くなったのが自分でわかった
『ありがとうございました!』
元気な声に送られながら
自動ドアに手を触れた
日傘を広げ、気づけば今でた店内を振り返っていた
真っ白な歯と目尻のシワ
屈託のない笑顔が見送ってくれている
手まで振って(笑)
なんだろ、茹だる暑さとは別の
熱さがまた顔をおおった気がした
つづく
*フィクションです(笑)
