うちの母… ケイコは いつも いたって…大真面目
冗談さえも 言った事が無い!!
だが…
何かを持っている人だった
そんな… 何かを 持っている人
これは ケイコの真実のお話である



昔々ぃ~~~ 私がまだ小さい頃
生き物を愛する ケイコは
夜店で買ってきた.......チュー吉という二十日鼠を 可愛がっていた
✳︎ もちろんチュー吉の画像はないですし.....ネズミ嫌いの方の為に 偽物のチュー吉画像です
チュー吉は....... いつもカゴの中で.......カラカラと音をたてて......回転クルマを回していた
カラカラ



私は動物一般.....なんでも好き


あまりチュー吉を 可愛く思った事は無かった

でも..... 学校から 帰った時のチュー吉の カラカラ音を聞きながら 二階に上がるのが
日課になっていた
意外な事に....... モノグサ者の 母 ケイコが.....
毎日毎日.....チュー吉の為に 新聞紙を細く細かく切って......
チュー吉の 寝床を作ってあげている事が...... その愛情深さが不思議に思えた
だって あの.....母がである........
毎日毎日......チョキチョキチョキチョキ


チュー吉の為に 寝床を作っている
カゴの中の 古くなった新聞紙を捨てては......新しい 手作りの新聞紙の寝床に替えていた
正直.....見直した

そんなある日...... 私が 学校から帰って来るといつも聞こえる カラカラ音が聞こえない
カゴを覗いてみると...... チュー吉の姿が見えない ??
母に聞いてみると........ 『チュー吉は新聞紙の中で眠ってるのよ』との こたえ......
そして.......また次の日も チュー吉の カゴからは 音がカラカラ聞こえない?
次の日も 次の日も.........
さすがに心配になった私は・・・・かごの中味を出してみた・・・
そこに・・・チュー吉はいなかった・・・・・・

ネズミが好きではない私も あわてて 母に報告
「お母さ~~~ん チュー吉がいないよぉ~~」と・・・・・
その時の・・・・焦った母の顔を私は忘れられない・・・・・・・

そして・・・母ケイコは・・・・言った・・・・
「それがねぇ~~~~ 掃除の時にね 新聞紙を取りかえるときにねぇ~~~~
チュー吉・・・・・ごみと一緒に捨てちゃったのよぉ~~~~ 」 と・・・・

私は・・・・チュー吉の事を思うと・・・・
泣けた



だってぇ~~ 寝床で寝ていたら・・・・
気づいたらごみとして捨てられていたのだからぁ~~~~~
自分に置き換えると・・・・・・
ゾッとする



「大丈夫・・・・チュー吉は夢の島(ごみの島)で たらふく食べて幸せよぉ~ きっと!」
と母・・・ケイコは言ってのけた
せめてもの救いは・・・・・あの当時・・・・ごみ収集車が ごみ圧縮車では無かった事
夢の島への埋め立てが進められていて・・・・・ごみはそこに運ばれていったはず???だった事だ・・・・・
チュー吉! 可愛がらないで ごめんね

ゴミ袋を食い破り....... チュー吉が ねずみ算式に子孫を増やしたと......
私は...... 今でも 願っている
ねずみ算式って考えると ちょっと怖いけど.......
母は チュー吉を捨てた後も....... 新聞紙を切っていた........ なぜ??
『だってぇ~~~ 癖になっちゃってぇ~~~ 』と 母は言っていた
一瞬でも母を 見直していた自分に 腹がたつ

その後......我が家では 哺乳類と鳥類の飼育は 母には 担当させない事に決まったのは
言うまでも無い! 持っている女! 母 ケイコの話は

まだまだ…続くよ
