経年変化:一 | 冥王星移住計画

経年変化:一

二十代も後半にさしかかって人生観は微妙に変わった。とりわけ「家族」「親/子」「時間」「仕事」「金」「個人/社会」といったあたりの概念の周辺に変化が生じた。

けれど、それは見る角度や感じかたが変わったにすぎない。
こどもじみた「よけいなもの」を捨て、おとなになるために必要な「貴重ななにか」を集める。知識や経験を蓄積する。──それは一般には「成長」と呼ばれる。なんだか進歩史観めいている。
それは進歩でもなく成長でもなく、たんなる変化だと考えたい。
理想的な変化を成長と呼ぶことはもちろんできる。そんなのは定義次第だ。けれど、それを成長と呼んだとき、「失われたなにか」への哀惜の念もまた消え去るような気がする。(つづく)