『順列都市』 | 冥王星移住計画

『順列都市』

イーガンはすごい。あつかう主題からは時代の先端をいこうとする意欲が感じられる。けっこう硬派で、文章はほんのちょっと硬めだけど、筆力には安定感がある。飽きずに読ませてくれる。

この作品に関しては、仮想現実世界を産み出す装置の理屈がわかりづらいっていうか、かなり強引な感じで若干つらめなんだけど、そこを割り切れば物語としてとてもおもしろい。それなりに斬新なアイデア、視覚的に鮮やかな情景がつまってる。自然科学だけじゃなくて、人文科学(思想系)にも造詣が深いらしく、「唯我論者国家」なんていう概念まで出てくる。この唯我論者国家のくだりには脱帽。すごすぎる。かっちょよすぎる。ラファティとならんで、特に哲学好きなひとにはおすすめのSF作家。