悟り | 冥王星移住計画

悟り

「きみは人生というものを知り尽くした気になってるけど、きみにはまだ見えていないものがある」
二十歳を過ぎたころ、四十前後の知人にそういわれた。
たしかに当時のぼくは増長していた。悟った気になっていた。「無知の知」なんて自分には無縁のものと思っていた。そして、年長者の説教じみた言葉を笑って聞き流していた。それは自負と気概の表れだったかもしれない。

それでよかったのだと思う。誤謬や盲目のもとでしか築きえないものはきっとある。
ぼくはたしかにまちがっていた。けれど、後悔はしていない。