ふっと思い出した
記憶の中の私は
悲しかった

何が悲しいのか
まったくわからなかったが

私は悲しかった

私は泣いていたのかもしれないし
私は笑っていたのかもしれない

ただただ悲しいという感情のみが
自分の心を捉えていた

あの頃の自分は
『世界』というものが
なんであるか
どの程度の大きさなのか
何で構築されていたか
理解してもいなければ
知る努力もしなかった

無気力に悲しんでいた

結局のところ
私は井戸の中の蛙だったのだ

この『世界』がすべてで
他の『世界』などないと

否定したかったのかもしれない

だからと言って
自分を肯定することも出来なかった


今、私は『世界』を知っている

だから、
何なのだろうか

どうしたって
分からないことがある

此処に在ることも
其処に無いことも

私が今、
何がしたいのかも