初キスの味は、レモン味?
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随分前に読んだ、梶井基次郎の
檸檬🍋
‥‥いったい私はあの檸檬が好きだ。
レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色もそれからあの丈たけの詰まった紡錘形の恰好かっこうも。
結局私はそれを一つだけ買うことにした。それからの私はどこへどう歩いたのだろう。私は長い間街を歩いていた
始終私の心を圧えつけていた不吉な塊がそれを握った瞬間からいくらか弛ゆるんで来たとみえて、私は街の上で非常に幸福であった。あんなに執拗しつこかった憂鬱が、そんなものの一顆いっかで紛らされる
あるいは不審なことが、逆説的なほんとうであった。それにしても心というやつはなんという不可思議なやつだろう‥‥
鮮やかなレモンイエローと、
清浄な香り
心の全てを片付けてくれそうなくらいの爽やかな酸味
強い存在感をもって、脳裏に蘇る。
実家に檸檬の樹がある。
母の一番下の妹が贈ってくれたもので
母がお庭に植えたもの。
濃いビリジアンの生命力にあふれた葉
が数枚ついた小さな樹だった。
ほんとうに檸檬がなるのかしら?
八百屋でしか見たことのない、あの不思議な果物の樹が、
うちのお庭に存在してる‥
そんな思いだけで、ちょっとわくわくした。
一年経ちニ年経ち、
樹はなかなか大きくはならなかったけど、その樹の存在を少し忘れたころ
確かに檸檬🍋が実っていた。
すがすかしい喜びとともに
あらためて、お庭の檸檬が私の心に
爽やかな幸福感をもたらしてくれたのを覚えている。
