わたしの渡世日記 下
高峰 秀子 文春文庫
書かれた内容にも文章にも魅力を感じながら、のんびり飛び飛びに読んでいたら、途中で筆者・高峰秀子さんの訃報を聞くことになってしまった。
上巻に増して、さまざまな映画の仕事と人間模様が客観的かつ軽快に描かれ、読んで飽きるということがない。
そして、繰り返しになるけれど、どうしたらこんな人ができあがるのか? 読み進むほどに魅力に磨きがかかる高峰さん、本当にいい結婚をされて良かった。というより、彼女自身とお相手の松山さんが努力してそういうものにされたのだろうけれど。
解説で沢木耕太郎氏が、高峰さんの文章の最大の特徴を「その底に貫かれている人生を肯定する意思の強さ」「人生を味わい尽くそうとする意志」としているのに、大いに納得した。率直で思いやりがあり、潔く前向き。同時代の人ではないとはいえ、そんな人気女優のエッセイを、私はなんでもっと早く読まなかったんだろう。
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