またこの時代背景・・・「戦場のピアニスト」

THE PIANIST

ロマン・ポランスキー監督　　2002年　ポーランド・フランス

　ナチス・ドイツのポーランド侵攻から、ワルシャワのゲットーでの生活を送り、収容所行きをなんとか免れて生き延びた実在のユダヤ人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの物語。

　はからずも、続けてナチス・ドイツの残虐さを伝える映画を観てしまった。こういうのを観ると、人間は、どこまで残酷になれるのだろうと恐ろしくなる。

　ただし、この映画では、シュピルマンを救うドイツ将校が出てきてホッとする。・・・とはいっても、「私を救って欲しいと彼に伝えて」と立場替わった将校が言う場面や、後にシュピルマンがそれを知らされる淡々としたシーンに、どう受け止めるべきかと少し戸惑った。

　事実の重さに圧倒される。

　だから、描くのはシュピルマンひとりなのか？

　背景を通り過ぎるようにさらりと描かれた家族は？友人はどうなったの？あのドイツ人将校とはそのまま？・・・と思ってしまう私でした。

　監督自身の経験が、逆にそれらを描くことを避けさせたのか。。。

　とにかく、平和とはありがたいもの。