気に入った物件が見つかった際の入居までの段取りを解説します。
まず、登場する権利者をおさらいしましょう。
地主さん:土地の登記名義人で貸主(かしぬし)さんです。底地権者でもあります。
借地権者:地主さんから土地を借りている人です。買主様でありご検討している皆様です。
売主さん:建売住宅の場合の施工主。建築中は一時的に地主さんから土地を借りて借地権者となっています。
販売会社:弊社のような仲介業者です。
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購入の売買契約の締結
売主さんと買主さんとの間で不動産売買契約を締結します。
仲介業者が重要事項説明を行い、契約書に署名押印し売主さんへ手付金をお支払いします。
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住宅ローンの審査
金融機関に住宅ローンの申し込みをします。
最近ではインターネットで審査をする金融機関が増えてきています。
借地権の種類や契約期間などが記載された金融機関規定の書面に、地主さんの署名と実印の押印を求められます。この書面を提出できないと住宅ローンが融資されないため、売買契約に「譲渡承諾取得の特約」がつきます。「売主は賃借権を買主に譲渡することについて、土地所有者の賃借権譲渡承諾書を取得します。万一取得できなかった場合、本契約を解除できるものとします。」という内容です。
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土地賃貸借契約の締結
地主さんと借地権者との間で新規20年の土地賃貸借契約を締結します。
大事なことは、契約の名義人は建物の登記名義人と同一とすることです!
一般的に「これから20年間お世話になります」という意味を込めて借地権者から地主さんにちょっとした菓子折りをもっていくのがマナーと言われています。
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金銭消費貸借契約
金融機関と買主さんとの間でお金の貸し借りの契約を行います。
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残金決済
売主さんに物件残代金、司法書士に登記料、仲介業者に仲介手数料などの清算を行います。
新居の鍵を渡され、この日から晴れてマイホーム取得となります‼
契約から入居まで通常1か月程度かかります。
建物が建築中だったり地主さんが複数いらっしゃったりするなどした場合はもう少し時間がかかります。
いろいろな作業がありますが、ほとんど仲介業者さんが段取りを組んでくれます。
ただし経験が浅い不動産業者さんだと地主さんとの段取りをうまくできなかったりするのでお気を付けください。
そして次回はいよいよ最終回「こんなときどうする?」
最終回といっても事例集を参考にご紹介していきたいと思っているので、次回が最後ではなく「借地権とは」のテーマを更新していくつもりです。
僕自身も勉強できるのでとても楽しみです。