中城村(沖縄県中頭郡)の広報誌が先日オフィスに送られてきた。
中城村といえば、Jリーグクラブ「ガンバ大阪」「川崎フロンターレ」のキャンプ地としても知られる場所である。
そんなキャンプシーズン真っ只中の1月24日・25日、沖縄県内の市町村で初めて行政主導で、日本サッカー協会こころのプロジェクトが開催する「夢セン」が開催された。
今までも日本サッカー協会が予算をつけて(プロジェクトの普及も兼ねて)、県内クラブの人材で開催したことは数回あったのだが、本来の形である市町村行政に予算をつけてもらっての開催は初めてとなった。
何度も日本サッカー協会の方が、沖縄県に足を運び事業の説明をしてきたそうだが、なかなか受け入れられなかった。そんな流れが数年続き、いよいよ沖縄県だけが47都道府県中唯一の未開催地域となってしまったため、私にも声がかかり、今回中城村とマッチングさせてもらい、浜田村長の子供達の育成にかける思いで実現となった。
ここで「夢セン」を知らない人のために簡単に説明しよう。
「夢セン」とは、日本サッカー協会が全国の小学校5年生と中学校2年生を対象に、競技に関係なくスポーツ選手や元アスリートを、子供達の夢の先生として、成功までの失敗や挫折、困難に立ち向かった過去の経験を伝える授業を行うプロジェクトだ。
聞いただけでも授業の素晴らしさは伝わってくるが、なかなか全国どの市町村でもウェルカムな状況ではないようだ。
あまり細かい詳細はここではお話しませんが、もちろん開催するためにはそれなりにお金がかかる。講師料に移動費そして宿泊費などだ。
今までがどういう形で市町村に話をして断られてきたのかはわかりませんが、僕も最初話を聞いた時は、正直いいことなのはわかるが、別に僕がわざわざしなくても。。。
なんて思っちゃう話だった笑
しかし、一度どこかが開催したら、一気に広がるだろうという思いはあった。
そこで今回中城村を紹介したのだ。
中城村は、Jクラブのキャンプなど予算をつけてピッチの整備を行っているが、村内に宿泊施設がないためお金が村に落ちない、キャンプ地の周りに飲食店が多くあるわけでもない為、そこでも経済効果はあまり期待できない。
そんな中、村民からはプロクラブの誘致に疑問視する声も聞こえてきていた。
しかし、村長は子供達に一流の選手を見てもらい、この中からいつか村を背負って立つ人財を排出したいという思いがあった。
そんな村長の思いを、より具体的に表現する活動として、「夢セン」はどうですか?
と提案したのである。
ただ一方的にキャンプで選手を見た!というだけでは、サッカーをやっている子供達だけに限定されてしまう。そうではなくて、選手や元選手達が、プロ選手であることの大変さや夢が実現することの素晴らしさを伝えに来てくれたら、自分たちの村で行っているプロクラブのキャンプが、こんなに素晴らしいことなんだと理解できるようになるし、その夢が叶った後のイメージを具体的に想像できるようになると思うのだ。
子供達は、将来の夢をその授業の中でシートに書き、実現に向けてどうしたらよいかを考える。
普通はそこで終わりだが、中城村の子供達は、そこで一度出した答えを確認するためにキャンプを覗きに行けるのだ。
夢が叶ってサッカー選手になった人たちは、さらに次の目標である日本代表になるために、どんな努力をしているのか?それは簡単なことなのか、辛いことなのか、今の自分が想像している努力のレベルで自分自身の夢は本当に叶うのか?
そんなことを考える機会になるので、キャンプ地としては絶対開催した方が良い授業だし、夢センとしてもこんな場所で是非開催したい!という話でまとまったのである。
さぁタイトルの疑問に戻ろう。
アスリートの経験に価値はあるのか?
もちろん今までの話の通り、それは子供達の教育という意味では十分にあるだろう。
それは今さら僕が言うことでもない。
今回僕が話をしたかったのは、アスリートのセカンドキャリアの問題などいろいろ議論されているが、スポーツをビジネスや行政の運営に活かしたいと考えた時に、それらの中で具体的にスポーツがどんなお役に立てのか?をアスリート達も考えながら選手生活をしていなくてはいけないと思う。
選手をしながら、引退後に向けて活動するのは、器用じゃない選手にとっては難しい話だと思う。しかし、なぜ自分は選手でお金がもらえているのか、なぜ地域は応援してくれるのか?また応援された側として考えたこと、もっとこうあったら良かったという経験をしっかりまとめて話ができるようになっていたら、その経験を必要とする人は必ずいると思う。
スポーツは教育にいいから!というなんの根拠もない話だけではなく(実際強豪校など勉強しなくてもスポーツできたら入学卒業できるとこも多い。)、実際やってみてこういうことが必要だという問題意識に値段が付くと思う。
アスリート自身が、今その価値に気づかず安売りしている状況なので、同業者の首まで絞めている状況だと思う。
アスリートの経験に価値があるかないか?それはアスリートが自分自身にどう価値を見出せるかによると思う。
PS こちらの記事はご覧になりましたか?

