FBのお友達の記事を見てて昔のこと思い出しました。
今では一大市場に膨れ上がったコンビニのスイーツですが、当然ながら昔は大した事はないもので、オリジナル商品はわずかで主力はNBのカップデザート、それこそプリンとかでした。
カップデザートのトップ売れ筋はヨーグルトなんていう時代もあったわけです。

今のような商品群に育っていく大きなきっかけとなるタイミングにその現場にいたので、その時のエピソードを。

あれはもう11年くらい前だったと思います。
私が茨城の直営店で店長をしていた時でした。
当時シュークリームのヒロタという会社が会社更生法を申請して、再建を図ることになったところでした。
そのテコ入れとして7-11に商品供給をすることになり、定番商品のいくつかが推奨されました。
冒頭にも書いたとおり、当時のデザートの売れ方なんて大した事はなかったですから、個店で一日10個以上売れていれば、売れ筋という程度の感覚でしたし、私の経験も浅かったので別にそれほど売れるものとも思いませんでした。

そんな中で発売の前週に本部のOFCさんと打ち合わせをしました。
生ものですから販売期間も短く、納品の翌日までだったと思います。
当時の私の感覚では「まあ一日30個うれれば上等」くらいに思ってました。なんせ1日10個でトップ売れ筋でしたからね。
そしたらFCさんから「とんでもない、単品で100個、4アイテムでトータル200個行けるよ」と言われました。
私の前の店長はよくそういう発注をして廃棄の山を築いていたので正直私は、かなり怯みました。
しかしそのFCさんはあまり無理強いをする人ではなかったので、腹を決めてガツっと勝負をかけてみました。

するとこれがバカ売れするのです。
当然、発注を増やしたら売場も広げるので、オープンケース1本をまるまる空けてシュークリームで埋め尽くす訳ですが、平日にもかかわらず飛ぶように売れました。
売れ方を見てみると、その店は住宅地の生活道路沿いの立地でしたから主婦層が多く、まとめ買いが圧倒的に多く、1人で2~5個という買い方が非常に多かったのです。
日々販売データを見ながら発注数を決めるのですが、売り切れたり売れ残ったりを繰り返しながら明日はいくつ売れるだろうと考えて決めるわけで、欠品しなければその商品は十分足りていると考えるのが普通ですよね。
しかしこのシュークリームの売れ方を見て、必ずしもそうではないということを学ぶのです。
FCさんはそれを私に教えてくれました。
つまりこういう事です。
売場に商品が2個あります。そのお客様が欲しいのは4個です。その2個を買いますか?
恐らく買わないでしょう。
だからその状態は欠品と同じなのです。
デザートは家族で食べるという場面が多く、特に住宅街の立地ではその傾向が強く特に週末ともなれば来客があったりもしますからその傾向はさらに強まります。
ですから常に売場に大量の商品が置いてある事で、お客様はそれを宛てにして来店します。
だから売り場を広げて目立たせる。

あの経験はその後の発注の考え方を大きく変えてくれるきっかけとなりましたし、その後はデザートで面白そうな商品が出るとその都度仕掛けるようになりました。

シュークリームは毎月19日を「シュークリームの日」と勝手に称して発注を増やして、多い店では1000個以上も販売するようになっています。

コンビニの発注はコンピュータが決めているなんていう人もいますが、そんなことはないんですよ。

半分妄想に近い、「仮説」を基に「売れる数」ではなく「売りたい数」を決めて、それに合わせて売り場作りをするのです。
売場を自由に作り変えられるように、常に死に筋の排除をしなければならない訳です。

「単品管理」と書いて「死に筋排除」と読む。
懐かしいですね~。

ちなみにデザートが年間で一番売れるのはいつでしょう?
毎年間違いなく一番売れる日があります。クリスマスケーキは高単価なので販売数で行きましょう。
販売数トップはクリスマスではないということです。
さていつでしょう?











答えは、お正月、元旦です。
親戚が集まる事が最も多いのがお正月。デザート、めちゃめちゃ売れます。
ハーゲンダッツのアイスも正月が一番売れます。真夏より正月の方が圧倒的に売れます。
っていうかハーゲンダッツは暑いと逆に売れないんですけどね。