先月東京公演の直前に韓国の自宅で自殺し、29歳の若さでこの世を去った歌手のチェ・ドンハ。
初めて海外アーティストの写真を撮らせてもらったのがドンハでした。
彼は自分の容姿に凄いコンプレックスがあり、撮影前の顔合わせ、打ち合わせでも、自分の顔の嫌な所や、希望する角度や、ライティング、色味などなどを話し合いました。
撮影当日は言葉も全然通じない中で、始めはお互い緊張し、殻をかぶってたように思うが、撮影しながら画像を確認しているうちにだんだん彼も自信を持ち出し、こちらを信用してくれているのが伝わってきた。
言葉が通じなくても写真自体がコミュニケーションなんだと改めて実感した。
仕上がりもとても気に入ってくれて、韓国でも多くの写真家に撮られてるが、こんなにも自分のことを理解してくれていい表情が沢山撮られているのは初めてだとも言ってくれた。
京都公演で楽屋に訪れた時は笑顔で握手を交わしたのに。
昨日東京でドンハを偲ぶ会が行われた。
残念ながら仕事の調整がつかず参加できなかったけど、気持ちばかりの献花をさせていただきました。
祭壇にはあの時撮影した写真が沢山飾られており、複雑な気持ちではあるが、この様な形で使っていただいて公演に思う。
多くの残された家族、関係者、ファンを悲しませ、自殺という行為は決して良くない事だけど、こんなにも大勢の方に愛され、見送ってもらい、彼は幸せ者だと思った。
あの優しく力強い歌声は二度と生で聴けないけど、写真の中のドンハはいつまでも笑顔のまま。
写真を見るとあの時の細かい会話や表情が蘇ってくる。
写真ってやっぱりいいものだな。
親愛なるドンハに心からの感謝の意と心からのご冥福をお祈りいたしています。




