価値のあることと無価値なこと、物事を敢えてふたつに分けてみるならば今日はこんな風に分けるだろう。
昨日見たスタンド・バイ・ミーが不覚にも胸に刺さってささくれのようにとれない、おかげでスタンド・バイ・ミーをずっときいている。
この週末に、価値があったかなかったかと言われると、間違いなくなかったろう。ではそれは正しいのだろうか、あるいは正しくないのだろうか(正しいの対義は間違いではないのでないか?)で考えてみると、そうではない気がする。必ずしも無価値なことは正しくなくはないのかもしれない。と少なくとも自分は思う、何が言いたいかというと、逆に無価値なことであったり、正しくないように思えることが、意外と人生を豊かにするのではないかということで、
ものを考えない週末もたまには良いかと思えど、頭は無意識の内に考える状況を自身に仕向けているのだ。考えるのは楽しい。ネガティヴな結論に至るのが常だが、
ダウナー系のドラッグのようなものなのかもしれない。
・
・
・
雨が降り始めて、道端の埃が籠もる匂いが立ち込める。そのどこか懐かしい匂いの中で傘を差しながら私は、かつての友人である彼のことを思い出していた。彼と私は、少年時代来からの仲であったがもう10年ほど彼とは顔を合わせていなかった。その彼のことについて私が今こうして想いに耽けているのは他でもない、彼自身のことが不意に私の耳に届いたからである。それは私にとって良くない知らせであった。私自身も歳を食ったものであるが、まさに寝耳に水のような出来事だった。私は急いで支度をして、故郷へ帰ってきた。彼に別れを告げるためである。
母の話によると、彼がレストランで食事をしているところに、隣の客が口論を始めた。そこで彼はその喧嘩を止めようとして二人の間に入っていったという。そこでナイフを喉元に刺され亡くなってしまったということだ。即死だった。弁護士だった彼はもとより正義の権化のような人間ではなかった。彼を幼い頃から見ていた私からしたら、彼が弁護士になるなんてはじめは思いもしなかった。いや、彼の家族も、彼自身もきっとそうは思っていなかったことだろう。彼の家庭環境はとても良いと呼べるものでもなかった。親からのDVは当然で、彼の兄貴はこの街の不良を束ねるリーダーだった。彼自身、様々な葛藤があったことだろう。(飽・終)