未完のままですが、飽きてしまったのと、少し文章化するには私自身の考えがまとまっておらず未熟な気がしましたので
本年もお付き合いいただきありがとうございまいた。
来年もよろしくお願い致します。
良いお年を
服が少しだけヤニ臭くなってしまったのを、残念に思った。12月の空は、冷たい。煌々と着く背後の明かりを背に、遠くを眺めていた。別に面白くないわけでもなければ、面白いわけでもない。ただ思い出すのは、ほんの数日前のことだった。タワレコであったそこそこ好きだったアーティストの解散ライブ。上京してきて、なんとなくで高校の頃から好きだったアーティストのライブにたまたま都合があったばかりにふらっと立ち寄っただけだったつもりが、すっかり心を奪われてしまった。私はそんなに尻の軽い女じゃないのにな、そんなことを少し思って、息を吐いた。ふうっと吐き出されたそれは、白く輝いてさながら星座のように夜空の中へ融けていった。いま何時だろうと、コートのポケットの中に入れていた手をそのまま動かす、左手にひんやりとした感覚を覚えて、その長方形のはこを取り出す。こうしている間にも、そのアーティストの鼻唄をすさんでいる。自分は何故、あのアーティストに心を掴まれて離れないのか、まったくもって文章化が出来なかった。そこには、中二的な何かと、「えも」的な何かがあるだけだった。携帯の時計を見ると、あまり面白くない時間だった。同期の女の子は既に一次会で潰れた(ふりをしたのもいた)ので、ほぼいない。一人ウチのサークルのエースを張っている女の子がいるが、その子は多分終電にすら乗る気はないし、話にならないのは目に見えていた。もう一度だけつく溜め息は許された。それは先程と変わることなく、白く蒸発した。酒がまだ抜けてないのが、胃から伝ってくるのがわかった。早く帰ってしまいたい、帰ってしまいたいというよりは何も考えずに寝てしまいたいと思った。
最近は考え事をするのがひどくなったように感じる。また、歳を重ねるごと(というよりは思春期らしい思春期を終えてといったほうが良いというべきか)に自分に関する思想、考え方のようなものがより客観的なものとして昇華されていっているような心地がしている。こう表現してみると良さそうな感はするけれども、事実は私自身が私自身とかけ離れているような気がしているのだ。私が私の将来、現在のキャリア、愛や恋、人生を生きる意味について深く考えれば考えるほどに、実際の私とはそれが異なりかけ離れているのを感じる。理想論でもなく、ただただ自分の将来や、生まれてきて何物も為す事ができぬことを案じて一人考えているだけだ。一人は嫌いだ。考えてしまう。この不安は一体何なのだろう、不安と呼んでみるものの、しっくりとはこない。おそらく普通の大学生とはやはり少し違うのだろうか、それも日本人としてあまり良くない気はする。昔からませたガキではあったけれども、普通の人間に慣れるとは思っていた。
私の終わらない問に対して、ある答えを出してくれたのはそのバンドだったことは言うまでもない。何も無いから考える事をする脳みその隙間を代わりに埋めて、考えている時でさえ「もう一つの客観的な」答えを私に与えてくれる。ヴォーカルが何を考えているか走らないが、その綴られた言葉たちは、私に意見をくれる。代弁された言葉を私が解釈するのと、ただ私が作った言葉で論を作るのとでは、やはり少なからず違いは生まれる。代弁された言葉たちは、私が素手ではじめに触るときには、少しいびつな形をしている。それをさながら粘土のように丁寧に、かつそれらの命を奪わないように成形して、城をつくっていく。おそらく、私が求める解のようなものは、これなのでは無いかとも感じている。いろんな形の、いろんな素材の城を作って、比べて、時には壊しながら、最終的に大きな城を一つつくりあげることこそが人生なのではないかと。きっと考え過ぎなのだろう、こんなことを誰かに言ってみたとしたら終いには中二をまだこじらせているだのと笑われるのが関の山である。
「どうしたの?」
ぎょっとした。考え事をしていると周囲に目が行かなくなることがあり、少しだけ困っているのを思い出した。
「お、お疲れ様です」
後ろを振り向くと、先輩が立っていた。背が高く、痩せている。ヒョロガリと一般的に呼称される人種だろう。名前は、正直思い出せない。向こうはきっと私のことを覚えてくれているのだろうけれど、私は、覚えていない。それは申し訳ないのとともに少しだけ覚えることを諦めたような感情は持っていたけれども。にへらと笑うその表情はやはり見覚えははっきりとある。顔と名前を結びつけるのが苦手過ぎる。昔からあることだ。物覚えも頭も悪い。
「酔ってる? ちゃんと吐いた?」
吐くほどは飲んではいなかった。
「少しふらふらしますけれども、問題ありません」
「うちの部活ってやっぱ飲みサーみたいな感じはあるからさ、すこーしずつみんなフェードアウトしちゃうんだよね」
「はあ」
「それで、結局酒が強くて、且つ激しい飲み会が好きな奴以外が淘汰されて、飲みサーの核が抽出されるわけね」
成る程、面白い理論だなと一瞬感心してしまった。
「唯一残るのが、俺みたいな酒は飲めないけどその核を好きなやつさ」
ようは物好きな奴だねと、広角を上げながら付け足した。
「たしかにそれは面白い話ですね。飲みサースパイラル」
「飲みサースパイラル、いい名前だ。スパイラルってネーミング、一章抜けられない感が出てめっちゃいいね」
「チヒロちゃんは、後者かな?」
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