いつも背筋ピンと伸ばし

無駄口はきかず

ときには、必要なことさえもかたらず

暑い、暑いなどと言うと、

夏は暑いものだ と一言
その口から、感謝の言葉など聞いたこともなかった

いくつまで働くのか、

もう、休んで旅行にでも行ったら、などと言っても、聞く耳などもたず

家族は呆れかえるほど頑健な父が がんを宣告された
半年

でも、何も変わらず働きにでる

息子にとっては厄介な父だ
越えることの出来ない存在、圧倒的な父が、そのまま逝った。

少しでも近づくきたい、少しでも父の作り上げた家族のまねがしたかった

あの世で、まだまだ、と呟いているんだろうか、この情けないありさまを
昨日の蝉つながりで


昼飯に入ったお店のテレビ

たまたま、蝉の寿命がネタに


一般的に3週間から1ヶ月

ガァーン


今まで、7日間、て信じてた



わたしだけの常識、非常識!

昼飯をたべ

暑いアスファルトの上で

冷房で冷えた体を

少し温めたくて

暢気に歩いていたら



突然、胸の真ん中あたりに些細な衝撃


なに?


なに?




なんと蝉、

決して大きくないのに、樹と間違えた?
ワイシャツにちょこんとつかまってる

おやじ臭と樹液臭を間違えた?


暫く蝉のバッチを着けたまま、鳴いてくれないかなと思い歩いた。


残念ながら鳴いてくれないのでそっと掴んで空に離したら、元気よく飛んでった

ただ、それだけ


あと6日の命か




って、俺に宣告


まだ、些細な衝撃の感覚が胸に残る、


まだ、元気に飛んでいった残存がまぶたに



うーん、何で