NHKの科学番組「サイエンスZERO」の
2016年9月18日放送分が面白かったので
補足しながら、メモとして残しておきます
紹介されていたのは
21世紀の素材革命と期待されている新素材
「セルロースナノファイバー」
CNS, Cellulose NanoFibers
鉄の1/5 の重さで、強度が5倍
軽くて強いという他にも性質があって
いろいろな応用研究が進められています
「セルロース」というのは、食物繊維のことで
植物の細胞を囲っている細胞壁の材料です
セルロースは、グルコース(ブドウ糖)が
数珠つなぎになったもの
同じグルコースの数珠つなぎに
デンプンもありますが、構成要素の
グルコースにちょっとした違いがあります
化学式は同じなのですが、
水酸基(OH基)のつく場所が違うのですね
デンプンの場合は、α-グルコースが
セルロースの場合は、β-グルコースが
構成要素として数珠つなぎになっています
構成要素のちょっとした違いで
デンプンは食べると消化できますが
セルロースは消化できません
おもしろいですね
次に、「ナノ」について
キロとか、ミリとか、マイクロのような
単位につく、接頭辞(接頭語)の一つです
ミリが10の -3乗(1,000分の1)
マイクロが10の -6乗(百万分の1)
そして、
ナノは10の -9乗(1億分の1)
なんて小さいの、、、
セルロースナノファイバーの太さは
4 ~ 100 nm(ナノメートル)
「ファイバー」は繊維ですから、
ナノスケールの繊維ということで
ナノファイバーなわけです
細胞壁に1000本も含まれるとか
では、セルロースナノファイバーは
どうやって作るのでしょうか
最初に書いた通り、食物繊維ですから
自然が勝手に作ってくれているんです!
人間はそれをうまく取り出すだけ!
何から取り出すかというと、
紙の原料と同じ、パルプから
パルプをミキサーで水に溶かした後、
砥石ですりつぶせば出来上がり
原料の調達はパルプなので問題ないですが
ネックなのは、製造コスト
1kg当りの製造コストを見てみると
鉄鋼:50 ~ 200円
アルミニウム合金:400円
プラスチック:200 ~1,000円
セルロースナノファイバー:5,000~10,000円
とても高価だったのです
その製造コストを下げるのに成功したのが
東京大学の 磯貝 明 教授
パルプの水溶液に
マイナスの電荷を持たせる特殊な薬品を入れて
化学反応をさせました
すると、
マイナスの電荷を帯びた繊維同士が
互いに反発し合うことで
繊維が勝手にほぐれていったのです
この方法により、
セルロースナノファイバーが
簡単・大量・均質に取り出すことが
できるようになって
コストも1,000円にできたのです
この素材の特性や応用については、次回
(続く)
拙ブログ「注目の新素材セルロースナノファイバーとは?(2)」
拙ブログ「注目の新素材セルロースナノファイバーとは?(3)」
文:生塩研一
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