サラダにミニトマトが2個あるとか

大皿のギョウザを数えて一人何個ずづとか

数を数えるなんて、いとも簡単なこと、、

のように思えますね


しかし、数が数えられる動物は

ヒトやサルといった霊長類だけと

考えられています


数などの抽象的な概念で認知するのは

難しいのですね


実は、

他にも数が数えられる動物がいたのです


何だと思いますか?


そうです


以前、このブログでもその賢さを

ご紹介した、カラスです


拙ブログ「やっぱりカラスは賢いという3つの話題」




脳研究者の Ditz らは、

カラスにコンピュータ画面を見せて

1番目の画像として、1個~5個の点を

800ミリ秒表示させます


1秒の間を空けて、

2番目の点の画像を表示


1番目の画像と

間を空けた後の2番目の画像で

点の数が同じだったら、

画面をつつくとエサがもらえます


2回に1回は、そうではなく

2番目の画像では点の数が違っていて、

その画面ではつつかないようにして、

その後に必ず1番目の画像と同じ数の

画像が表示されるようになっていて、

そのとき画面をつつくとエサがもらえます


このように、

1番目の画像と2番目の画像が

合っていると反応し、違っていたら

反応しないという課題を

「遅延見本合わせ課題」
a delayed matching-to-sample task

といいます


トレーニングの結果、

カラスはその課題をこなすことが

できるようになったそうです


つまり、「数」の概念がわかった、

ということですね


とりあえず、スゴい


ここで、また疑問が湧きます


それは、脳のどこで「数」の処理を

しているのか? ということ


ヒトやサルでは、脳の前頭葉や頭頂葉が

数の認知に関わっていることが

実験で分かっています


鳥ですが、

進化の過程でヒトやサルと大きく違い

脳の構造も大きく違うため、

どうやって「数」の処理をしているかは

簡単に予想はできません


Ditzらは、カラスの脳に針電極を刺して

ニューロンの活動を詳細に調べることで

哺乳類の前頭前野に相当する、

ニドパリウム帯のニューロンが、
the nidopallium caudolaterale(NCL)

数を表現していることを突き止めました


例えば、

あるニューロンは「1」のときに

最も活動性が高いとか、

また、別のニューロンは「2」のときに

最も活動性が高いという感じで


カラスって本当にスゴいですね!


哺乳類とは別の進化をたどりながら

「平行進化」により、高度な情報処理能力

を獲得したことになります



【原論文】

Ditz HM & Nieder A (2015)
"Neurons selective to the number of visual items in the corvid songbird end brain"
Proc Natl Acad Sci USA
doi:10.1073/pnas.1504245112





ついでながら、

今回の「数」の話とはちがいますが

カラスは、こんなこと↓もしますしね

「ソリ」で遊ぶカラス from Youtube




(おしまい)




文:生塩研一




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