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メープルシロップというのは、
カナダの国旗にも描かれている
サトウカエデの樹液を集めて、
じっくり煮詰めて濃縮させたもの
そして、抗生物質というのは、
病原性の細菌を増殖させないために
使われるお薬です
1928年に、
フレミングが青カビから発見しました
どうやって作用するのでしょう?
ざっと書くと以下のような感じ
1.細胞壁合成阻害
2.細胞膜傷害
3.タンパク質合成阻害
4.核酸合成阻害
5.葉酸代謝拮抗阻害
例えば、1の細胞壁合成阻害は
細菌がまとっている細胞壁を
新たに作れなくして弱めます
2の細胞膜傷害は
細胞壁の下の細胞膜を破って
細胞を破壊します
ん? 細胞壁?
細胞壁は植物にだけあるのでは?
実は、細菌にもあるのです
細菌は、1つの細胞で生きていますから
細胞壁で守らないといけないのですね
ついでに、グラム陰性菌は
細胞壁の外にも細胞膜(細胞外膜、
outer membrane)があります
カナダは McGill 大学の研究チームが
メープルシロップの効果を調べたところ
そのエキスが細菌の力を弱めるだけでなく
抗生物質の効果を強化すること
(細胞外膜への攻撃等)を突き止めました
Maisuria VB, et al. (2015)
"Polyphenolic Extract from Maple Syrup Potentiates Antibiotic Susceptibility and Reduces Biofilm Formation of Pathogenic Bacteria"
Applied and Environmental Microbiology.
doi: 10.1128/AEM.00239-15
メープルシロップ、いいですね
でも、ちと高いのが難点
え? スーパーに行けば、
安いメープルシロップがあるって?
ここで、ちょっと注意があります
安いのはメープル「風」シロップであって
本物ではありません
メープルシロップに含まれる香料の
ソトロンという、気化しやすい芳香性の
化合物が添加してあるのです
香りをまとっただけで、
肝心な成分は含まれていません
(おしまい)
文:生塩研一
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