※ 記事の更新がないときは、過去記事、もしくは、右下のツイッターに科学ニュースなどを載せていますので、そちらをお楽しみください。







早いもので、2月も今日で終わり


明日から3月ですが、

まだまだ寒い日が続いてますね


私も?布団から出にくいです(笑)



冷えると温かい飲み物が欲しくなります


アナタは何を飲まれますか?

紅茶? 緑茶? 生姜湯?


私はコーヒーが多いです


コーヒーをよく飲み始めたのは

大学生の頃からでしょうか


高校生の頃までは

紅茶を飲んでいたように思います


いれたてのコーヒーや紅茶の表面に

条件によっては

白い薄らとした膜が

見えることがあります


コーヒー



私は高校生の頃から

その膜が気になっていました


その膜をよくみていると、数秒毎に

幅1ミリくらいの亀裂が入って

亀裂のパターン(模様)が変わります


常に亀裂が入り続けるのではなく

数秒間はパターンが安定していて

突然、ピキピキと亀裂が入るのが

とても不思議でよく眺めていました


戦前の物理学者、寺田寅彦

エッセイでこのことに触れています


##### 引用ここから
次には熱い茶わんの湯の表面を日光にすかして見ると、湯の面に虹の色のついた霧のようなものが一皮かぶさっており、それがちょうど亀裂きのように縦横に破れて、そこだけが透明に見えます。この不思議な模様が何であるかということは、私の調べたところではまだあまりよくわかっていないらしい。
##### ここまで

寺田寅彦『茶わんの湯』より



「虹の色のついた霧のようなもの」

というのが、

上述の「白い薄らとした膜」

と思われます



先ごろ、

京大と九大の研究者が

ハイスピードカメラでその様子を調べた

という論文が発表されました


Umeki T, et al. (2015)
"Dynamics of microdroplets over the surface of hot water"
Scientific Reports 5 #8046.
doi:10.1038/srep08046




どうやら、

0.01ミリの微小な水滴が、

水面の 0.1ミリから0.01ミリの高さで

空中に浮遊していたとのこと


そして、

白い膜の亀裂は、その微小な水滴が

集団的に消えることで起きて、

その消える領域は秒速1~2メートル

で進んでいたそうです


空中で浮遊しているメカニズムは

まだよく分かっていないようですが、

蒸発するときの空気の流れや、

微小な水滴が自身のマランゴニ効果で

回転することで出来た空気の流れ、

それから、

微小水滴に帯電した静電気などが

候補として検討されているようです



ちなみに、

マランゴニ効果というのは

温度などの条件で液体の表面張力が

不均一になったことで液体に流れが

生まれる効果です


「マランゴニ対流実験の基礎知識」 by JAXA





ついでに、

実験で使われたハイスピードカメラは

キーエンスの

ハイスピードマイクロスコープVW-9000



なんと、8000 fps!

「fps」は flames per second で

1秒間に何コマで記録するかということ


300万円くらいとか


高いのか、安いのか微妙な感じ。。



キーエンスのサイトには

撮影例として映像がたくさんあります


8000fps の映像は

「引張試験」と「ランプの点灯」

だけで、あまり面白くないかも


4000fpsはいろいろあって楽しめます

「ミルククラウン」

「リンゴ落下」



15,000fps の

「インクジェットプリンタ印字」

もいいですね





技術の進歩により

より小さい現象

より速い現象

が捉えられ、いろいろなことが

分かっていくのは面白いですね


今度、

コーヒーや紅茶を飲まれるときは

表面を観察してみてください


観察も、飲まれるのも、

冷めないうちに。。




(おしまい)




文:生塩研一




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