※ 残念ながら、STAP細胞の論文は
2014年7月3日、掲載した Nature 誌が
取り下げを発表しました
※ 以下は、それ以前に書いたままです
前回は
小保方博士が幹細胞を
細いガラス管に通して選り分けているとき
ガラス管を通した細胞には
幹細胞があったのですが、
ガラス管を通す前の細胞には
幹細胞が見付からなかった、
というところまででした
拙ブログ『簡単!STAP細胞講座(3)STAP細胞発見前夜』
今回はその続きを
小保方博士は
細いガラス管を通すという
「ストレス」が
幹細胞にしたのではないか
と仮説を立てたのです
参考:(時時刻刻)万能細胞、新時代 STAP細胞、液に浸して25分で誕生
マウスのリンパ球を使って
化学的な刺激や物理的な刺激を
ストレスとしていろいろ試した末、
弱酸性(pH5.7)の溶液に
30分間ほど入れると万能細胞になる、
ということをついに発見します
これを
STAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞、Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency cells)
と言います
上記の酸性溶液処理は
強いストレスですから、7日目には
2割しか生き残っていませんでしたが、
生き残ったうちの3割から半分が
万能細胞だったとのことです
実際、分化誘導して、
マウス生体へ皮膚移植したりして
外胚葉(神経細胞など)
中胚葉(筋肉細胞など)
内胚葉(腸管上皮など)の組織、
それから、生殖細胞に
分化することを確認しています
ここまでは、
ES細胞やiPS細胞も同く分化できます
しかし、
iPS細胞は作るのに2~3週間
かかるのに対して、
STAP細胞は1週間でできます
STAP細胞がもっとスゴいのは
胎盤や臍帯(へその緒)などの
胚外組織まで分化させられたこと
これは、
ES細胞やiPS細胞では成功していません
つまり、
ES細胞やiPS細胞よりもさらに
強いリセットがかかっている
という意味なのです
STAP細胞がスゴいところをまとめると
1)細胞内に処理をしなくても
細胞に外からストレスを
与えるだけで万能細胞にできる
2)胎盤などの胚外組織にも分化できる
3)iPS細胞よりも短期間でできる
といったところになります
これが、プレスリリースに挙げられた
3つのポイントです
もちろん、
これで全て解決されたわけではなく
今後の課題もあります
まず、
今回の成果は生後1週間の若いマウス
を使ってのことで、成長したマウスでは
うまくいってません
また、
ヒトの細胞でも同じようになるかも
現時点では不明です
この辺りも
今後クリアされていくでしょう
とにかく、スゴい成果です
ノーベル賞は間違いないでしょう
Obokata H, et al. (2014)
“Stimulus-Triggered Fate Conversion of Somatic Cells into Pluripotency” , Nature 505: 641-647 (Article)
doi:10.1038/nature12968
Obokata H, et al. (2014)
“Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency” Nature 505: 676-680 (Letter)
doi:10.1038/nature12969
(つづく)
文:生塩研一
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