今日も、とても冷えましたね

不覚にも、風邪を引いたかも。。


早めに寝て治します(反省)




さて、前回は、

5秒ちょうどで

ストップウォッチを止めるゲームで

自分でストップウォッチのデザインを

選ぶときと

強制的に与えられたときとで

パフォーマンスに違いはあるのか?

そのとき、

脳の活動にどんな違いがあるのか?

という実験の

結果の手前まで書いたのでした



拙ブログ『自分で決めて実行する方が脳にいい理由(1)』




では、その続きを




実験には、

35名の大学生が被験者として参加



fMRI のデータ解析までできたのは

31名、平均年齢 20.7歳

男性14名、女性17名




パフォーマンスの結果から、

自分で選ぶ方(63点)が

強制的に決められる(59点)よりも

成績が有意に良かったとのこと



ちなみに、この結果に男女差はなし



各被験者に

一連の実験が終わってから、

自分で選ぶのと

強制的に決められるのでは

どちらが楽しかったかを聞いたところ、

94%もの被験者が

自分で選んだ方、と答えています



この行動データの結果から、

自分で選んだ設定の方がやる気も出て

それがパフォーマンスにも影響した

と考えられます



次に、

このストップウォッチ課題を

している間の脳活動を fMRI で

しらべたところ、


自分で選ぶのと

強制的に決められるのでは

脳活動にも違いが見られたとのこと



失敗をすると活動が弱まる脳領域に

腹内側前頭前皮質(vmPFC)と

線条体(大脳基底核の一部)

があります




今回の実験では、

5秒を計るのに失敗したとき、

線条体は、自分で選んでも

強制的に決められても

活動は低下しましたが、


vmPFCは、

自分で選んだパターンでは

失敗しても活動が低下しなかった

とのことです



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玉川大学のプレスリリースより)





つまり、

失敗しても前向きに取り組めたのは

自分で選んだということで

vmPFC が活動したおかげ

というわけです




vmPFCは、

おでこの奥に広がる前頭前野の

下側の部分で

意志決定や感情処理と関連があり

vmPFCを損傷した患者さんは

目先の利益のとらわれるとか

失敗に学べないなどの傾向を

示すことが知られています



今回の実験でも

このことが裏打ちされ、


さらに、自分で決めるということが

vmPFCの活動に影響する

ということがわかったのです




人に言われてやるのではなく

自ら進んでやる、というのは

vmPFC を活性化させる、

正しいやり方なのですね




玉川大学脳科学研究所のプレスリリース
「失敗を成功のもと」にする脳のしくみを解明



Maruyama K, et al. (2013)
"How Self-Determined Choice Facilitates Performance: A Key Role of the Ventromedial Prefrontal Cortex"
Cerebral Cortex
doi: 10.1093/cercor/bht317







これで、

今年の投稿は最後になると思います



皆様、よいお年をお迎えください




(おしまい)





文:生塩研一





お読みいただきまして、ありがとうございました。
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