脳の情報処理は

1,000億ものニューロンが

複雑なネットワークを形成して

なされているわけですが、

ニューロンの活動を

支える細胞もあります



それは、グリア細胞




昨日のブログにも少し登場しました

『脳は睡眠でデトックス』





グリア細胞を

膠細胞と呼ぶこともあります



「膠」とは、「にかわ」のこと


接着剤ですね



ゼラチンといった方が

馴染みがあるでしょうか



1854年、ルドルフ・ウィルヒョー

ニューロンとニューロンの間に

すき間を見付けて

「糊」のようなものが必要だとして

ニューログリア(神経糊)と命名



グリア(glia)は

膠(glue)から来ています



ちなみに、ウィルヒョーは

白血病の発見者でもあります



さて、


グリア細胞には、役割によって

いくつかの種類があります



1)ミクログリア(小膠細胞)

 異物を回収する、食作用をもちます


 アルツハイマー病に関わる

 アミロイドβタンパク質も

 食べてくれます


 ちなみに、食作用と言えば、
  
 白血球のマクロファージが

 思い浮かびますね


 両者は同じ仲間です


 実際、ミクログリアに特異的に

 発現するタンパク質の Iba1 が

 マクロファージでも見付かっています



2)アストロサイト(星状膠細胞)

 ニューロンと血管の橋渡しをして

 物質交換などを行ないます



3)オリゴデンドロサイト
  (稀突起膠細胞)

 ニューロンが伸ばす軸索に巻き付き

 髄鞘という鞘(さや)を形成します


 この鞘は神経伝導速度を高めます



これらグリア細胞の

サポートがあってこそ、

ニューロンが情報処理できます




それから、

以前は、このグリア細胞は

ニューロンの10倍の数に及ぶと

考えられていましたが、

実際には

ニューロンと同程度の数しかない

ことが分かっています ↓



Azevedo FA, et al. (2009)
"Equal numbers of neuronal and nonneuronal cells make the human brain an isometrically scaled-up primate brain."
J Comp Neurol 513(5): 532-541.
doi: 10.1002/cne.21974.







最近では、

グリア細胞が情報処理において

もっと積極的な役割を担っている

とする実験結果も報告されています



脳を知るには、グリアの活動も

しっかり調べないといけませんね





(おしまい)





文:生塩研一





お読みいただきまして、ありがとうございました。
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