昨日のブログは、

腎臓が巧妙な仕組みによって

濾過量や血圧を

自動的に調節されているとうことで

傍糸球体装置などについて

書いたのでした


『驚異の自動調節能力 ~ 腎臓って、意外にスゴい(4)』





意外にスゴい腎臓ですが

濾過などの機能をどうやって

計測したらいいでしょうか?



その指標の一つに

クリアランスがあります



バーゲンの話ではありませんよ



大雑把に言って

特定の物質について

血液中と尿中の濃度を比較した値



血液中にどれだけあったものが

尿中にどれだけ出ましたか?

という値です




式で定義すると

[クリアランス] = [尿中の濃度] x [単位時間の尿量]/[血漿中の濃度]



血漿というのは

血液の血球成分を除いた液体成分で

血液の約55%を占めます


まあ、半分と覚えておきましょう



単位時間は、1分、もしくは1日



特定の物質と書きましたが

 グルコース

 クレアチニン

 イヌリン

 パラアミノ馬尿酸

について見てみましょう




グルコース(ブドウ糖)は

近位尿細管で100%再吸収されるので

尿中では検出されず

クリアランスは、0となります




次に、クレアチニン


クレアチニンとは、

筋肉にエネルギーを与える

クレアチンリン酸の代謝産物で

体内に存在します



糸球体で100%濾過されますが

尿細管では全く回収されません



ですから、

血漿中での濃度に対して

尿中での濃度が低いと

濾過機能が落ちている

ということが分かります




クレアチニンの代わりに

イヌリンが使われることもあります


イヌリンとは

キク科の植物でよく作られる多糖類で

フルクトース(果糖)が数十個

つながった重合体です



通常、体内には存在せず

食事などで体外から取り込みます



ゴボウ、タマネギ、ニンニクなどに

含まれ、アミラーゼで消化されず

摂取カロリーを低く抑えられます



ただ、

大腸でバクテリアに代謝されて

ガスがたくさん発生するようです



イヌリンもクレアチニンと同様に

尿細管で再吸収されませんので

濾過能を調べることができます



クレアチニンは尿細管からも

少し分泌されますので

イヌリンの方が厳密と言えます



国際的にはイヌリンの方が

標準測定法となっているようです





最後に、パラアミノ馬尿酸


これは、糸球体の濾過とは関係なく、

近位尿細管から排泄され

血中から完全に排泄されます



ですから、

パラアミノ馬尿酸・クリアランスが

小さいと、腎臓に流れる血液量

つまり、腎血漿流量が少ない

ということが分かります





腎血漿流量が少ないと

濾過するクレアチニンが減って

クレアチニン・クリアランスも

小さくなりますが、

このパラアミノ馬尿酸・クリアランス

を見てやれば、糸球体の濾過機能を

推定することができたりします




教科書みたいな中身が続いていて

ごめんなさい



次回あたりで

この腎臓シリーズを終える予定です





(つづく)





文:生塩研一





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