昨日のブログ

『割り切れない数 素数』

に続いて、素数の話です




数字が大きくなると

割り切れる数が増えるので

素数もまばらになってはきますが

無限に存在します



そして、

それを数学的に証明できます



その証明をいくつか紹介しましょう



その前に、

証明には背理法が使われます



背理法とは

ある命題に反する仮定をして

それが矛盾することから

元の命題を証明する方法です



例えば、

√2は無理数である 

を証明してみましょう



無理数とは、分数で表せない数

無限小数も無理数ですが、

0.121212…

のように同じパターンが繰り返される

循環小数は有理数です



逆に分数で表せる数は 有理数

無理数と有理数を合わせると 実数



√2は無理数である 

ということを証明するため

√2を有理数と仮定します



有理数なので分数で表せますね 


√2 = a / b  

ここで、a と b は互いに素

と仮定します


両辺の2乗して

2 = a^2 / b^2

2 b^2 = a^2 (1)

よって、a は偶数なので

a = 2c とおけるので、(1)式に代入

2 b^2 = 4 c^2

よって、

b^2 = 2 c^2

なので、b も偶数


a と b の両方が偶数となり

これは、a と b は互いに素とした

仮定に矛盾します


従って、√2は無理数 となります



懐かしかったですか?



では、

素数が無限に存在することの

証明に移りましょう




【証明1】

ユークリッドの証明


素数が有限個で n 個と仮定し

素数を P1, P2, P3, …, Pn とする

P = (P1 x P2 x P3 x…x Pn) + 1

とおくと、

PはP1からPnで割り切れない

従って、

Pは n+1 個目の新たな素数

これは、

素数が n 個であるとした過程に矛盾

故に、素数は無限に存在する



簡単すぎましたかね




【証明2】

サイダックの証明(2006年)


N を1より大きい自然数とします

N と N + 1 は連続する自然数なので

共通の約数(公約数)をもちません


どういうことかと言いますと、

公約数があるとして

それを a としましょうか

すると、N と N + 1 は

N = a*b

N+1 = a*c

のように表せます( c > b )

2つの式の辺々を引いて

1 = a*(b-c)

これを満たすa は 1 のみ

ということで、

N と N + 1 には公約数はありません


素数の証明に戻りまして

N と N + 1 に公約数がないので

N2 = N (N+1) は

2つ以上の異なる素因数

つまり、

2つ以上の異なる素数をもちます



N2 と N2 + 1 も連続する自然数なので

N3 = N2 ( N2 + 1)
  = N (N+1) (N2+1)

は少なくとも

3つ以上の異なる素因数

つまり、

3つ以上の異なる素数をもちます



これは無限に続けられるので

素数は無限に存在することになります



Filip Saidak
The American Mathematical Monthly
Vol. 113, No. 10 (Dec., 2006), pp. 937-938.




(つづく)





文:生塩研一



お読みいただきまして、ありがとうございました。
コメントもお待ちしています。お気軽にどうぞ~!


応援してくださる方は、下のバナーをクリックビックリマーク
ランキングサイトが開いたらOK! 


自然科学 ブログランキングへ

にほんブログ村 科学ブログ 自然科学へ
にほんブログ村







読者登録してね