真っすぐなストローを
グラスの水に斜めに入れると
水面のところで折れたように見えます
指を伸ばして垂直に入れたら
水に入った部分が短く見えますね
どうしてでしょうか?
光が屈折するから
では、なぜ屈折するのでしょう?
この現象は古くから知られていて
1世紀初頭のプトレマイオスも
挑戦していました
現在では、屈折の法則は
スネルの法則として知られています
ヴィレブロルト・スネル(1580-1626)は
オランダの天文学者・数学者で
オランダ最古の大学である、
ライデン大学の教授を務めました
ライデン大学といえば
ヘリウムの液化や
超伝導の発見で有名な オネス や
それから、シーボルトもいましたね
欧米初の日本学科設置も、ここ
西周も留学しました
話を元に戻しまして、
この、スネルの法則ですが
実は、スネル以前に見付かっており
1602年には、トーマス・ハリオットが
さらに遡って、
984年にイラクの、イブン・サフル
がその法則を記述しています
どんな法則かと言いますと、
入射角 i と屈折角 r の比は一定
sin i / sin r = n (一定)
つまり、入射角を決めたら
屈折角が分かってしまうということです
で、n を屈折率というのですが
高校の物理では
この法則を覚えて問題を解くだけなので
味わうのを忘れてしまいがちです
どうして屈折してしまうのでしょう?
それは、
媒質によって光速が変わるからです
光速は真空中で 秒速30万km
1秒間に約30万kmも進みます
1秒間に地球を7週半
2秒あれば月まで届き
太陽までは8分ちょっと
この光速を c と書くと
いろいろな媒質での光速は
速い順に以下の通り
空気では c / 1.0003
氷(0℃)では c / 1.309
水(20℃)では c / 1.334
※0℃の氷より遅い!
ガラスでは c / 1.43 - 2.14
ダイヤモンドでは c / 2.417
空気から水に入る場合
空気では光速は大きく
水に入ると少し小さくなりますから
下図のようなイメージです

Eastern Illinois University のサイトより
式が気になる方は、
左端の光が境界に達してから
右端の光が境界に達するまでの
時間にそれぞれの光が進む距離を
一辺にもつ直角三角形を
考えてみてください
もう少し詳しく考えたい方は
ホイヘンスの原理 とか
フェルマの原理(変分原理)
をご参考ください
では、
ストローが折れて見えるのは
どうしてでしょうか?
光は上図のように
水に入って急角度に曲がって進みます
水の中の物体で反射された光の進み方
はその逆をたどればいいですね

Bangkok Patana School のサイトより
ヒトの目は
光は直進すると考えますので
水面から上の光の進路を延長して
水中の物体の位置を認識します
つまり、
深い所にあるものを
浅い所にあると見てしまうのです
ですから、
水に入れたストローは、その各部分で
浅い所にあるように見えるので
曲がったように見えます
指をまっすぐにして垂直に入れたら
水に入った部分が短く見えるのも
深い所が浅い所に見えるためです
実際に試してみてくださいね
(おしまい)
文:生塩研一
お読みいただきまして、ありがとうございました。
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