教えている大学の1年生は
来週から夏休み
今日は夏休み前の最後の講義でした
約60名を2クラスですが
なんと、
欠席者、0
夏休み前で、やる気になったか?
どうやら、
クラブの写真撮影がお昼にあって
その後だったから、
のようでした。。
さて、
前回の
「頭を動かされたのを感じる仕組み(2)」
でも書きましたが
音が聞こえるというのは
鼓膜の振動が、耳小骨を通して
蝸牛で電気信号に変えられて
脳に送られるから
その蝸牛の入口は前庭といって
蝸牛側から
球形嚢 と 卵形囊 があります
そして、
前回書きました半規管が
卵形囊からニョキニョキと出ています
その半規管では、頭の動きを、
内リンパ液の流れで感知する
ということでした
今回は、動きではなく
傾きを感知するしくみについて
見てみましょう
傾きを感じるのは
卵形囊と球形嚢の中にある平衡斑
半規管の膨大部稜のように
盛り上がっていて有毛細胞があります
有毛細胞の毛は、平衡砂膜という
ゼラチン質で覆われています
平衡砂膜は英語では
otolithic membrane
「耳石の膜」という意味です
英語の方がわかりやすい。。
半規管のクプラみたいな感じですが、
ここから違います
平衡砂膜というゼラチン質の上に
平衡砂 あるいは 耳石
とよばれる、長さ数μmの
炭酸カルシウムの結晶が
乗っています

ゼリーの上に小石が
たくさん乗っているイメージ
ゼリーだけより、小石が乗っている分、
傾きやすいわけです
平衡砂膜でも頭を傾けることで
耳石の重さで平衡砂膜がより傾きます
そうすると、
それが覆う有毛細胞の毛も傾いて
半規管の有毛細胞の毛と同じように
毛の先端が線維で繋がっているので
機械受容チャネルが開いて
カリウムイオンが流入して、
毛が傾いた、と分かる
つまり、
頭が傾いた、と分かるのです
それでは、
卵形囊 と 球形嚢 の2つは
何が違うのでしょうか?
上で見た図は、卵形囊の平衡斑で
頭の傾きを感じます
一方、
球形嚢の平衡斑は垂直方向に
ついています
ですから、
エレベータが上下するときのように
上下方向の加速度を感じます
ちなみに、
蝸牛の中にあって、
内リンパ液で満たされた蝸牛管は
蝸牛から出たところで
球形嚢と結合管で繋がっていて、
球形嚢は
卵形囊と連嚢管で繋がっています
耳の奥に、
砂の乗ったゼリーがあって
それで頭の傾きが分かるなんて
おもしろいですよね
(おしまい)
お読みいただきまして、ありがとうございました。
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