先日、
急遽、天王寺動物園に家族で行きました


急遽というのは、もともとは
キッズプラザに行く予定だったのです


予定では、御堂筋線で北上し、
「動物園前駅」で堺筋線に乗換え。

地下鉄の車中で、息子に、
「動物園前」で乗換えるよと言ったら

「え?動物園前?動物園があるん?」

「あるよ。天王寺動物園」

「動物園、行きたい!」

ということで、急遽、行き先変更で
動物園に行くことになったのでした

ハイテンションな息子が
引っ張っていってくれます

本物の動物を見るのは迫力がありますね


私の場合、仕事の関係で
見る目の変わった動物があります

それは、ニホンザル

$プラスサイエンス-ニホンザル
Wikipediaより

以前はサルをみても、
どのサルも同じように見えて
個々の区別はつきませんでした

研究で何頭も見ているうちに
個々のサルの区別がついてきまして
この子は気が強そうとか、
この子は控え目な感じという
「見る目」ができました

ですから、動物園でサルを見ると
ついつい顔をよくみてしまって
どんな性格かな?というのを
勝手に想像してしまいます。
当たっているかどうかは別にして。。



ところで、
サルはヘビを怖がります

かなり前の研究の動画が残っていまして

サルの前に、おもちゃのヘビを
ひょいっと投げてやると
サルが跳んで逃げるが映し出されます

生後の経験を通した学習というより
脳に生まれながらに刻み込まれた
恐れるべき対象といったところでしょう

で、
今度は、脳の深部にある扁桃体
損傷させたサルでは、
おもちゃのヘビを怖がらず
つかんでかじってしまったのです


ヒトの例もありまして、
とても稀な遺伝病なのですが、
生まれつき扁桃体が機能しない方が
恐怖を感じないということが
心理実験で確かめられています


つまり、扁桃体が
恐怖を感じる源だというわけです


そして、
この扁桃体に関連した論文が最近
Nature Neuroscinence 出ています

Feinstein et al., Nature Neuroscience 16, 270–272 (2013)


扁桃体が機能しない3人の患者さんに
高濃度二酸化炭素を吸引してもらうと
恐怖心が起こったり、パニックになった
というのです

恐怖感情を引き起こすのに
必ずしも扁桃体が必要ではない
ということになります

論文では、高濃度の二酸化炭素が
どうやって恐怖を感じさせたのかという
メカニズムには踏み込んでいません


恐怖心というのは、自分の身を守るのに
重要な感情ですが、
その解明はまだ先になりそうです


また、扁桃体は恐怖だけでなく、
記憶など他の機能とも
関連があることがわかっています


動物園でサルを見ながら
ふと、そんなことを思い出しました





お読みいただきまして、ありがとうございました。

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