こんばんは。

今日は午後4時くらいから
雷を伴うにわか雨でしたが、
すぐに上がって日も射しました

パッと降って、スッと上がる雨
気持ちよくて好きです


さて

認知症は高齢者ほど発症率が高く
高齢者人口が増加している日本では
認知症患者数も急速に増加しています

さらに、
高齢者に占める認知症患者の比率が
高くなっていることも患者数の増加に
拍車をかけています

その認知症患者数
平成14年には150万人でしたが
平成24年には300万人超


認知症患者さんがだまされたり
介護が負担だったりと
認知症をとりまく様々な問題があり

その解消に向けて、認知症の治療や
予防法の研究が日夜進められています



認知症にはいくつかのタイプがあります

多いものは以下の通り
 アルツハイマー型認知症
 脳血管性認知症
 レビー小体型認知症

脳血管性認知症は、
脳に小さい脳梗塞や脳出血があって
脳の組織がダメージを受けることで
発症します。男性に多いです

レビー小体型認知症は、
脳の神経細胞の中にできる
とても小さい異常な構造物で、
それにより神経細胞が機能しなくなり
発症します。幻視という、本当はない
ものが見えてしまう症状が特徴

アルツハイマー型認知症は、
認知症の中でもっとも多くみられ
 脳の萎縮
 老人斑(アミロイドβの沈着)
 神経原線維変化(タウ蛋白の蓄積)
を特徴とします

アルツハイマー病の患者さんに
頭を使うことをやってもらうと
症状が改善されることが経験的に
知られていたものの、
その理由は分かっていませんでした



最近、それに関してアミロイドβと
絡めた論文がイギリスの科学雑誌、
Nature Neuroscienceに
掲載されましたので、ご紹介します

Dolev et al., Nature Neuroscience 16, 587-595 (2013)


アミロイドβにも種類があり
大まかに
アミロイドβ40が約90%
アミロイドβ42が約10%

問題なのは、少数派のβ42

アルツハイマー病患者では多く、
それが凝集する(集まって固まる)
性質があって、
神経細胞にダメージを与えるようです


一方、β40は逆に悪化を抑制します

アミロイドβ42は悪玉
アミロイドβ40は善玉

といったところでしょうか


実験では、
マウスの海馬に電気刺激を加えて
アミロイドβ42とβ40の量を比較

一定のペース(1Hzとか5Hz)で
電気刺激を加えると、
β42とβ40とも何もしないときの
10倍に増えました

しかし、ときどき集中的に電気刺激を
加えるパターン(burst刺激)では、
電気刺激の頻度を高くするにつれ、
β40だけが増えて、
β42はあまり増えませんでした


そもそも、
ヒトが手を動かそうとか、
考え事をしているときには
脳の中で電気が発生します

ですから、何らかの方法で
脳に外から電気刺激を与えると
脳があたかも考えたかのような
状態になります


実験での
「ときどき集中的に電気刺激を加える」というのは、
実は、自然に頭を使う状況に近く

頭を使うとアルツハイマー病の症状が
改善されるという経験則の裏付けとして

海馬に適度が刺激が入って
アミロイドβ40が増えるから
ではないかと考えられるのです


頭も筋肉と同じで使わないと衰えます
頭を使って認知症も予防しましょう




お読みいただきまして、ありがとうございました。

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