ゆかりはピアノが好きで初めての撮影の時にルービンシュタインのショパン「ポロネーズ」と「ノクターン」のCDを持ってスタジオに来た。僕もクラッシックは嫌いではないが、当時、ショパンの「ノクターン」はリヒテルだけ持っていた。こうして、ピアニストの名前を出せるのは彼女のお陰だ。彼女はルービンシュタインの正確な音(そんな感じで云ったと記憶しているが)が好きだと。あとはアルゲッチとか。ベートヴェンならバックハウスが好き、とか。当たり前だけど、ピアノが弾けない僕にはさっぱり分からなかった。彼女がそんなにいいと思うなら同じように感じたいと思い、この曲だけを聴き始めた。
その日から二年以上に月日が経って今はグレン・グールドのバッハを聴いている、あの破天荒さが気に入っている。先日聴いたアシュケナージの「ノクターン」はこってりしていた。結局今でもルービンシュタインの良さは分からない、たぶんピアノを弾かないと彼女の感性を理解することは出来ないのだろうと思う。写真もフレーミングや絞り、シャッタースピード、モノクロとカラー、プリントの濃淡、カメラやレンズの選択、ライティング、…、いろいろある。同じだ。その曲を聴き始めたのは彼女の感性を羨ましく思ったからだろう。同じ曲なのに彼女はより多くのこと感じることが出来る。ひとつ分かったことは自分が好きになった人が好きなものはやっぱり自分も好きになるってこと。坊主好めば袈裟まで好む、ってか。
そう云えば↓ chiekoはノクターン(作品9-2)を弾くのが好きだとか。今でも弾いているんだろう。さて、今日は景気付けにデビルマンでも聴くか。