子どもでも大人でも、勉強は一生つきまとうものですが、

「できるだけ効率的に勉強したい!」

と誰でも思いますよね。

 

そのために脳が活性化してくれたらいいのですが、

実は「脳血流を上げたら脳が活性化する」は嘘!

 

勉強するときの頭の使い方のコツをお話します。

 

 

脳トレが訴えられている!?

巷は脳ブームで活気付いていて、

メディアを見れば「脳血流を上げて活性化!」という文字が

踊っています。

 

この脳ブームは日本だけでなくて、アメリカでも起こっています。

やっぱりどこの国も認知症などの脳の病気が増えていますからね。

 

でも皆さんはご存知ですか?

昨年頃から、アメリカでは

脳トレ効果の根拠が疑わしい」という理由で

訴訟が起こり始めています。

 

もちろん、きちんと学術的に検証されたトレーニングであれば

その根拠はきちんと立証されていますから安心です。

 

ところが、検証もしていないのに

「脳が活性化する!」とか

「脳が成長する!」などのコピーが注目を集めているのも事実。

 

良いトレーニングや効果的なノウハウを

情報を欲している方たちに向けて発信していくのは私は大賛成です。

私もそうする一人です。

 

今はみんなが筋トレを当たり前のように実践している様に、

脳トレだって、文化になって欲しいと願っています。

 

ただし、それは正しい表現であることが前提。

 

私は決して、すべてのノウハウやトレーニングに対して

脳科学実験をしろ!なんて言っているワケではありません。

そんなことをしていたら、公表するまでに何年も時間が経ってしまいます(涙)

(苦労がわかるから・・・えーん

 

良いものは良い。

だから、もしもそこに疑義が生じてしまうのなら、

無理やり「脳」をくっつける必要はないんじゃないかな?

と思っているだけなのです。

 

私は脳科学者の一人ではありますが、

でも、誰でも自分の脳を持っていて、脳と格闘しているんだし、

脳科学者だけが「脳」を語る権利を持っているとは思いません!!

(ここは声を大にして言います!!)

 

でも、商業的には話は別ですね、責任が生じますから。

嘘を並べて「この商品は脳に効くよ〜」なんて言って

お金を稼いでいいとは思いません。

 

もし「この脳の情報は本当かな?偽物かな?」と迷ったときに、

見分ける裏技をご紹介しますね。

 

それは、記事の「脳」という言葉を、

「心」に置き換えて読んでも違和感なく読めるなら、

それはもしかしたら脳の話ではない可能性があります。

(すべてとは言いません、悪しからずウインク

 

脳科学技術が発展したのは、たかがここ30年くらいです。

それ以前は、心理学や生理学がその役目を立派に担ってきました。

むしろ学問としての厚みは脳科学よりも上だと感じます。

 

だから無理に「脳」をくっつけなくても・・・、

と思うのは、私だけでしょうか?

 

情報を受け取る方も、吟味して情報を選ぶようにしたいですね。

 

 

 

 

「脳血流」神話の間違い

では本題に入ります。

 

「脳血流が上昇して、脳が活性化する」というような文言を

見聞きしたことがある人は多いと思います。

 

でもそれは100%とは言いませんが、脳科学的には間違っています

 

例えば、脳の局所に増加した血液のすべてが、

脳の細胞で起こる神経活動への栄養補給を行なっているワケではありません。

 

脳細胞が働いていなければ、血液は素通りするからです。

 

問題は、その血液の中から、酸素や栄養を取り込んで、

細胞が働いたかどうか?ということが肝心です!

 

脳の細胞は、活動するときに酸素を使います。

 

ですから、血流が上がったかどうかよりも、

酸素消費が起こったかどうか?の方が、

脳の活性化を正確に表しているのです。

 

ところがですね、

この酸素消費のデータを得るのはとても大変な処理が必要で、

あまり一般的にその手法は広まっていません

 

でも、脳血流のデータを得るのは比較的簡単で、

機械のスイッチをポン!と押せば、タラ〜〜〜っと出てきます。

だからついつい、脳血流のデータで物を言いたくなってしまうんですね。

 

 

 

 

勉強しているときは、脳血流を上げないで!

勉強をしているとき、

最初は全然できなくても、

だんだんと分かるようになりますよね。

そのときに、脳がどんな風に働いているのか実験してみました。

 

簡単な記憶テストを用意して、

脳科学の実験を行っている最中に、

繰り返しそのテストに挑戦してもらいました。

 

なんどもやっていく間に、テストの点数が伸びてきます。

そのテストの平均点を3段階に分けて、

脳血流と酸素消費の関係を画像化してみたのです。

 

 

 

まず脳血流の変化をお見せします。

勉強し始めたばかりでテストが平均8点のとき、

赤く表示されているところに脳血流が上がりました。

 

でも、テストの点数がだんだん上がって、

平均86点になったときには脳血流が上がっていません。

 

そう、きちんと脳が働いているときには、

むしろ脳血流が上がっていないのです!

 

では次に酸素消費のデータをお見せします。

 

 

平均8点や38点のときにはほとんど酸素が使われていませんが、

何度も繰り返して86点を取れるようになった頃には、

きちんと脳が働いているので、酸素消費が広がっているのが分かります。

 

つまり、高いパフォーマンスを発揮するときには

血流が上がってカッカしているときではなくて

最小限の血流で、効率よく酸素を消費しているのです。

 

このデータは、学習障害という発達障害の子どもたちのデータですが、

健常成人でも同じ結果が得られました。

 

 

では、どうやったらこの状態を作り出せるのか?

ここから先は、私の仮説(想像)です。

 

効率的に勉強ができたときって「集中したな〜」って感じがしますよね。

最小の血流で効率よく酸素が使えたときは、

きっとこういう体感になるんじゃないかと思います。

 

なぜなら、自由に話しながら脳データを観察した別の実験で、

脳血流が上がって酸素が使えないときは、

被験者が、提示した課題に対して

「も〜、わかんない〜!!」とか、

「エッ、やばい、どうしよう〜!」とか、

「う〜〜〜、難しいんだけど〜!」とか、

とにかくパニクっていたんですビックリマーク

 

よくありますよね、「これやっといて」って言われて見てみたら

ちゃんとやろうと思うのに頭に入っていかない!」みたいな時。

こんなときは脳血流ばっかり上がっていて、酸素を使えていない状態かも。

 

でも、なんども繰り返して分かってくれば、

脳血流は落ち着いてきて、酸素が使えるようになります。

 

そのためには、まずはパニクった状態から早く脱すること

よく学校で「分かる問題から解きなさい」って言われましたが、

あれって本当だな、と思います。

 

ですから、お子さんに勉強で高いパフォーマンスを出させたいときには、

・分かる問題からやらせてみたり、

・簡単な問答を繰り返して「それなら分かるよ!」という状態を作ってあげたり、

・「も〜この宿題無理なんだけど〜」と言っている子どもの手を休めて

 鉛筆を削らせるなどの簡単な作業をさせてみたり、

そんな工夫が効果があるかもしれませんラブ

 

間違っても、

「早くやれって言ったのに〜」とか

「ちゃんと先生の話を聞いてれば分かるでしょ」とか

そんな子どもの血圧が上がってしまうような言葉をかけてはいけません。

脳がますます働かない状態になってしまいますね。

 

冷静なときほど、脳は働くのですドキドキ

 

子どもをクールダウンさせる工夫ができるお母さんや先生は、

きっと子どもの力を上手に引き出せますよ!

ぜひやってみてくださいね!

 

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出典:吉野加容子他「Vector-NIRS法を用いた小児脳機能の定量診断―ベクトル解析による脳血液量と酸素代謝の調節反応の定量化―」小児神経学会、2012年

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熊しっぽ熊からだ熊からだ熊あたまクマムシくん音符

 

吉野加容子

博士(学術)、臨床発達心理士

 

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