plumです。
53歳、主婦。
虚弱体質だったわたしの、幼少期からの半世紀を書いています。
壮絶な手術を終え、終わりかけには尿意の我慢の時間となり、ようやく病室に戻ってポータブルトイレで用を足し、やっと落ち着きました。
しばらくはグッタリしていましたが、なにぶん11時から開始で2時間かかったので、昼食を食べていないせいか、ものすごくお腹が減っていました。
しかし、手術終えた後の口の中の状態は、奥歯のさらに奥、口の上と下をつなぐように糸で縫ってあるため、ほとんど口を開けることができません。
執刀医からも説明があり
「糸がついているうちは口は開けません。たぶん1センチがやっとでしょう。しばらくは噛むことはできないので、噛まなくてもいい食事になります」
夕食の時間になりました。
噛まなくてもいい食事って、老人食みたいな流動食?刻み食?と想像していましたが、わりと普通で、それでも豆腐とかコロッケとか、確かに噛まなくても飲み込むだけでいいような柔らかいメニュー。さすが口腔外科だ、と感心しました。
お米はおかゆだけれど、おかずはとくにドロドロしたものばかりでもなかったのです。
口がほとんど開かないので、ほんの少しの隙間から吸うようにして口にいれます。
口の中がなんとなく痛いので、歯で噛むというより、舌と上あごの『土手』で押しつぶすようにして砕きます。
お腹がすいているのでがつがつと食べたいところ、そうはできないのでちょっとずつ口のなかに放り込みます。
あぁ、美味しい。。。
空腹なので食事にありつけたことは嬉しかったのですが、いざ飲み込んだ時、
喉が激痛
下の親知らずは奥深く、ほとんど喉の位置に生えていたため、そのあたりが一番傷になっているようで、口の中よりも喉がとにかく痛い。
固形物をゴクッと飲み込む時が最高に痛く、思わず顔をしかめて「いたたた、、、、」と、無言になるしかない。
どんどん食べたいのに、味わっているうちはいいけれど、いざそれを飲み込む時がいちいち憂鬱になる、、の繰り返し。一回飲み込むために「はぁぁぁーーーっ」と、いちいち休憩を挟まないと食べられず、食事にものすごく時間がかかる。
食べることがあんなにしんどく感じたのは初めてでした。
自分が手術前、食事の時間が異様に静かだった理由がよくわかりました。
大部屋のあちこちで、みんなそれぞれ食べる苦痛を我慢しながら食べているので、みんな苦悶の表情で無言の食事時間。
こんな痛みがあと何日続くのかと暗澹たる思いでした。