plumです。

 

53歳、主婦。

 

虚弱体質だったわたしの、幼少期からの半世紀を書いています。

 

 

 

 

 

 

 

手術室に着いてから一気に緊張が高まり、そのために血圧が80を切るほど下がってしまい、執刀医は困り果てていました。

 

最高血圧が最低でも80を上回らないと手術が始められない。

それならば全身麻酔をするかと言われたけど、そんなの怖いからやりたくない。

 

 

なんとか自力で血圧を上げるしかない

(;´Д`)

 

 

とにかく落ち着くしかない、と自分に言い聞かせました。

 

初めての場面、予想外の場面というのに弱いので、自分の中でパニックになっているのはわかっていました。

中学時代にさんざん入院したとはいえ、病気でも事故でも「手術」を必要とする病は経験がなかったので、

 

 

わたしは今、

初めてのことに戸惑っているだけだ

 

 

と、できるだけ俯瞰してみるようにしてみました。

 

 

大丈夫だ

 

死ぬことはない

 

 

手術台の上で瞑想状態になるわたし。

 

しばらくしたらかろうじて血圧が80を超え、執刀医も

 

「よし!これで始められる!」

 

という状態に。

 

 

やっとこさ、すこーし落ち着いた?くらいに回復したのに、いざ始めるとなると目を覆うようにテープを貼られ、そんなことをされるだけでまた怖くなりますが、また血圧下がっても困るので、もう何も考えないようにしました。

 

 

ようやく手術開始。

 

まずは、さほど問題はない下の2本から抜いていくという。

 

問題はないものの、どちらも骨の奥に眠っているように存在している親知らず。下の歯なので、ほとんど場所的には「口」というより「喉」の位置。

顔を出していないのですごく健康な状態で、ゆえにこの親知らずはかなり大きな歯だったらしく、だいぶ骨を削らないと取り出せなかったと後から聞きました。

 

手術中、先生が

 

「歯が大きくてこのままじゃ抜けないから、歯を二つに割るね」

 

と言ったかと思うと、次の瞬間に

 

 

カキーン雷

 

 

ものすごい音と響きアセアセ

 

 

「ようやく1本抜けたよ」

 

「2本目も抜けたからね」

 

 

だんだん状況に慣れてきたわたしは、もう完全にまな板の上の鯉状態で、このころにはほとんど無感情になっていました。