plumです。
52歳、主婦。
虚弱体質だった幼少期からの半世紀を記しています。
オペラ「トゥーランドット」には、とても特殊な打楽器が使われています。その名も、
音階ゴング
ゴングというのは、小さな銅鑼で、鉄の大判焼きみたいな形、大きさは直径30センチ前後のものが多いです。
たんなる「ゴング」はたまに使われていますが、この音階ゴングというのは、
「ド」の音に近い音のするゴング とか
「ソ」の音に近い音のするゴング など、
正確ではないが、だいたいその音がする、それぞれ音程の違うゴングを叩くもの。
このトゥーランドットには10個くらいのゴングが使われています。それぞれのゴングに白いチョークで「C」とか「F#」などの音が書いてあります。
しかしこんな特殊な楽器はうちの大学にもなく、ましてやこの時はアマチュアオーケストラだったのでこんな楽器を所持しているわけもなく、どうするのかと訊いたら
あの、わたしが講習を受けた東京のレベル高い大学からレンタルする
とのことでした。
レンタル料金を抑えるため
楽器が前日にしか来ない
とのこと。
ということは、前日にしかその音階ゴング部分の練習ができないわけです。そんな無茶な、、、これを担当する人大変だなぁと思っていたら
「難易度高いので、この音階ゴングは音大生であるplumさんがやってね」
(;゚Д゚)
本番前日。
段ボール箱に入った音階ゴングが会場に届きました。
こんなもん、叩いたことないよ、、、、
なにが大変かって、10音くらい使うわけですが、その使用する音だけをレンタルしているので、
使用しない音はないこと
が大変なのです。
どういうことかといいますと、
たとえば「G#」を叩こうとした場合、普通のピアノや木琴などは全部の音が鍵盤として並んでおり、その周辺にふつうの「G」とか「A」があるからこそ、その間にあるのが「G#」とわかるわけで。
「G#」と書いたゴングが単体であっても、それがずらっと吊り下げられた10個余りのゴングのうち、どこにG#のゴングが配置されているかがすぐに見つけられないのです。
大きさがあるため、木琴のように横一列に並べることはできず、上中下、3段に分けてそれぞれ4個ずつぶらさげる、、みたいな形。少しでも叩きやすくなるように音の配置をさんざん考えましたが、どうにもスムーズに叩けるようにはセッティングできません。
Ⅾ→A→C#→B♭~ みたいに連続で違う音を叩くのに、もう目で必死に探しながら文字通り右往左往
ホントにしんどくて、実際何度も間違えて指揮者に怒られっぱなし。
大きな作品だったため、これは二日間本番があり、CD録音も兼ねているとのことでした。
明日、本番、、、、
できるかどうか非常に不安なまま、前日の練習からトボトボと帰宅しました。