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短い春をむかえた北ダラスより、字幕翻訳者&映像編集者ハーパーによる久々の更新ですコーヒー

 

ダラスはTX州花、ブルーボネットが満開です!SNSでも家族の思い出写真を撮りにお出かけになった人々をよく見かけますね~ニコニコ TXにお住まいの読者さんも撮られましたか?

 

 

昨年はパンデミック宣言直後で見逃しましたが。今年は早めにプロのフォトグラファーを予約し、子供たちの撮影をお願いしたハーパー家。出来上がるのが楽しみキラキラ

 

さて、久々に更新を思い立ったのは、HOT!を通り越して、CRAZY!と呼ばれるダラスの不動産市場について、ホームオーナーとしてその状況を記しておきたいと思ったから。

ハーパーの住むサブデビにもリアルター(不動産エージェント)やブローカーが複数お住まいで、私個人の友人にも数名います。

 

ハーパー家の住む北ダラスのサブデビの物件の売買動向や、リアルターからの話、SNSで目にする地元住人らのコメントもふまえて、北ダラス不動産のリアルを記しておこうと思います。これから北ダラスやTXへお引越しを検討される方の参考になれば幸いです。テキサスは広く、場所によっても状況はかなり異なりますので、その点だけご理解ください。

 

まずはWithコロナのダラス近郊の不動産マーケットの現状をまとめます

 

1)内陸部への中流家庭人口の大移動

超大手企業のTXへの移転の影響に加え、リモート勤務が可能(または転職)となった大卒以上の中流家庭の人口が急拡大。リタイアメント資金の礎となるマイホームを求めて、沿岸都心部から離れた内陸部の他州への移住者(希望者)が急増。移住先はテキサス、フロリダ、ネバダ、ノースカロライナ、アリゾナ、オレゴンなど。

 

2)建築資材の供給不足による価格高騰

商業施設や住宅建設の肝となる木材やレンガ等、建設資材の加工工場がコロナ閉鎖し、資材の値段がコロナ前の2~3倍に高騰。資材の慢性的な不足により、新築住宅の供給スピードが大幅にスローダウン&1戸あたりの価格上昇。

 

3)建設労働者の慢性的な不足と人件費高騰

建設現場の3Kの仕事を引き受けてくれるのは、主に英語の不得意な南米からの移民。トランプ政権の移民制限政策により、建設労働者が慢性的に不足したまま、全米の内陸都心部で住宅ブーム、建設ラッシュが同時に起こっている。

 

4)新築サブデビジョンごとに100~200人のウェイティング

エリアにもよるが、大半の子育て家庭が住みたいと望むフリスコ学校区、プレイノ学校区、プロスパー学校区、アレン学校区などは、それぞれの新築ビルダーが毎月リリースするロット(平均2~4)に、100-200人のウェイティングが当たり前という状況。

 

仮に新築の契約が出来たとしても、「クロージング価格がコストに合わない」とビルダーが判断し、変更後の価格にバイヤーが合意しない、又はローン額が確保できなければ、全てを白紙に戻す契約破棄が可能、という条項が契約書に明記されているビルダーもある。実際、フリスコの新築ビルダーでは、およそ70件以上の契約破棄が起こっている。

 

今や新築のGround upには1年以上かかると言われており、その間の仮住まいのレンタル物件でさえ見つからない。。というのが北ダラスの現状。

 

5)リセール物件(中古住宅)の人気が再加熱

上記1)~4)の理由で、新築住宅の見込みが薄いと判断したバイヤーらがリセール物件に殺到。セラーのAsking Price(売値)より20K~150K上乗せオファーをするのが当然となっている。アプレイザル(不動産鑑定評価額)の非適用承諾書にバイヤーとセラーが署名し、レンダーの許可するローン額(鑑定評価額以内)を差し引いた不足額をキャッシュで用意しなければならない。よって、競売となる人気エリアのリセールについては、頭金の負担が少なくても借りられるVAローン(退役軍人)やFHAローン(連邦債務保証)のバイヤーにはほぼ勝ち目無し。

 

6)過去最低レベルの低金利による住宅ブーム

そしてこれらの現状をさらに過熱させているのが低金利。金利が上昇し始めたここ数ヵ月で、新学年を目前にバイヤーらによるパニック買いが更に加熱。全米平均の住宅価格の上昇率は、2020年3月から2021年3月までの1年間で、14.5%!

 

7)驚異的な売り手市場

人気学校区内のリセール物件は、土曜、日曜と2日間のオープンハウスに100~150組の内覧。状態が良く適正な売値がついた家には、2日間で50件以上の上乗せオファーが入るそうです。20K~50Kの上乗せオファーは当然で、30日~60日のリースバック(セラーが引っ越すまで、バイヤーが無償でレンタルを提供)、クロージングコストもバイヤー負担、何なら引っ越し費用も負担します。。というのも実際にあるオファー内容です。

 

築浅でアップグレードもセンス良く、3台ガラージ、プール付きでグリーンベルトに面した物件だと、100K上乗せという前代未聞のSweet Dealを提示してもなお勝てないというのが現状。

 

実際、ここ2年ほど希望の学校区でのマイホーム探しに苦労していた、ハーパーのママ友さんの体験談です。今年はじめ、人気学校区のリセール物件に50K上乗せオファー、60日リースバックでクロージングした後に、セラーが「やっぱり引っ越す先がないので家を買い戻したい」と言ってきたそうで、お互いのリアルターも度肝を抜かれたそう。もちろんNOとお断りしたものの、リースバックの期限が切れる4月末に引越してくれるのかは神のみぞ知る。。というところ。

 

8)オーバーバリュー&オーバーペイ

テキサスの住宅はクオリティはそこそこですが、90F~100F越えもある夏の猛暑や、大雨と落雷が不定期で襲う春のストームシーズンなど、厳しい気候条件にさらされ続ける資産としては「今の状況は圧倒的にオーバーバリューしている」と誰もが言います。ダラス近郊は竜巻街道、ヘイルストーム、落雷火事が多発しているエリアだけに、全米トップ3に入る高い固定資産税に加えて、住宅の維持費や保険料もとても高いということを冷静に考えたいと思います。

 

9)我が家のサブデビの売買動向

こうした売り手市場を利用して、行先のある人にとってはまたとない売りの好機です。ハーパー家のご近所さんが5人ほど物件を売りに出しましたが、それら全て20K以上の上乗せオファーで2日以内にContingentになり、ウェイティングも含めたバイヤーらが決まっています。

新築サブデビジョンということで大き目のロットに築浅、派手なアメニティがなくHOAが比較的リーズナブル、というのも圧倒的な人気です。フリスコ最大の開発プロジェクト、建設中のPGAリゾートが近いというのも後押ししているようです。

 

売値(オファー前)の1sq当たりの値段ですが、平均で$155~$200/sqと、かなり強気な値段でも売れています。例えば、数年前に500K前後で建てた3700sqの家が、700K以上の売値でも2日で売れた。。という計算で、まさに異常ですね。

ちなみにハーパー家の家も3900sqですので、仮にこのマーケットで売るとすれば、同様の価格帯で売れるという見込みになりますね。(売りませんけども)

 

10)まとめ 今のダラスは30年前のLA

CAの不動産マーケットを知る人に言わせると、今のダラスはまさにLAの30年前と同じ。住宅そのものの価値よりも、バイヤーの数と買える価格帯の物件数、それらの需要と供給バランスによって決まるのが物件の値段。

 

以上、リアルターに連絡を取られる前に知っておいた方が良い現状をまとめてみました。

 

以下、個人的な所感です。

 

ハーパー家が、LAから北ダラスへの移住を決心し、新築マイホームを建てる契約をしたのは2018年の冬のこと。

 

1週間の下見で新築ビルダー複数社を巡り、希望のエリアに希望の予算内でGround Up(売り建て)を契約。その後LAに戻ってリモートで建設しました。ブログ開設当初からおつき合い頂いている読者さんやブロ友さんはよくご存じの経緯ですね。

 

下見当時の2018年の11月、どのビルダーも売り出し中のロットはまだ残っており、外観も選ぶことができました。下見をしたのが冬場ということもあり、契約を勝ち取りたいセールス担当者からは電話やメールで追いかけられたもんです。家を建てるロットも自分で選び、外観や内装のアップグレードもすべて選ぶことができ、クロージング価格もロックインが可能。内装のアップグレード部分については、価格交渉の余地がありました。

 

建設途中にはマイナートラブルの数々はあったものの、基礎工事から2019年夏の完成、そしてクロージングまでは5か月半ほどでした。この工期は、テキサスの大手のビルダーだと普通~少し早い方だと思います。

 

そして読者さんからは、「我が家も引越しを2度もしたくないので、リモートで新築を建てて北ダラスに移住したいんですが。。」という相談や、「下見に行くにはどのエリアがいいか?」という問い合わせもここ2年の間に本当にたくさん頂きました。

 

2月の大寒波では電力不足による輪番停電に翻弄されたTXですが、景気に左右されにくい底力をもち、世界から注目を浴び続ける北ダラスを目指して、全米津々浦々から移住者や投資家が殺到しているのは紛れもない事実。

 

それが可能な業種にはリモート勤務が当然となった今、CAやNYなど、生活固定費が高すぎるリベラル青州のマイホーム難民、ビジネスオーナーたちが行く先として選ぶのが超保守の赤州テキサスというのも、何とも皮肉で歴史的なモメンタムです。

 

低金利に加えて、パンデミックによる政府の失業者支援に伴い、家賃滞納テナントを追い出せない、フォークロージャー物件が不動産マーケットに出回らない。。子育て終了世帯が行く先がなく家を売れない。。という前代未聞の事態と混乱が、住宅のインベントリー不足に追い討ちをかけてます。

 

マイホームを手に入れるためには、ある程度の犠牲を払う覚悟をするのは当然ですが、注目したいのは、投資専門家に言わせても、「これは住宅バブルではなく、この先数年は続くだろう」というもの。

 

テキサスやダラス近郊へお引越しを検討中の皆さん、これらの現状をしっかり理解されて、万全の準備をなさってから挑んでくださいね。テキサスでの不動産取引に長年の実績とコネのあるリアルターを利用するのは当たり前ですが、日本人だから、知人の紹介だから、と言う理由だけで過信するのは考え物です。リアルターを雇う前に、売買実績についてもしっかりとヒアリングを行ってから雇うのが賢明です。

 

以上、ダラス不動産マーケットの現状について、参考になれば幸いです!

 

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