コロナパンデミックの影響により、アメリカ国内でも失業者と生活困難者が急増しています。

 

そんな折、トランプ政権は、1兆ドルの経済対策のうち、5000億ドル(およそ54兆円)を国民への現金給付にあてる方向で検討していると発表しました。

 

 

現在討議中の支給計画案はコチラ。

 

大人1名につき1200ドル x 世帯人数分

子供1名につき500ドル x 世帯人数分

 

単純計算ですが、仮にこれが実行された場合、我が家の支給額は(1200x2)+(500x2)=3400ドル

 

支給対象は、富裕層以外の一定の収入レンジを下回る世帯にしか支給されないとのことですが、低所得世帯に限らず、中所得家庭も含む、という方針がベースとなっているようです。

 

アメリカでは、人口の約3割が大学卒業以上の高等教育機関の学位取得者です。

言いかえると、人口の7割は、学歴上は高卒者と同等で、それらの人々は小売り、製造、物流、サービス業などの職業に従事しています。

 

こうした職種は、在宅勤務がそもそも成り立たないので、街がシャットダウンすることにより売り上げが激減し、即刻解雇されるリスクが最も高い職種でもあります。

 

そして、パンデミック対策により、医療関係者とともに、感染のリスクを負いながらもフロントラインで勤務しなければならないのが、これらの生活必需品を扱うサプライチェーンや小売り業、物資の運搬をする物流業です。人々のライフラインを保つために仕事を続けなければなりません。

 

公立学校区の教員や職員、また公的機関の職員なども全米の人口の多くを占めますが、彼らは公務員ですので、組合の力もあり解雇の心配はさほどありません。

 

現金支給は4月と5月の2回に分け、自己申告方式で行う計画とのことですが、失業中や休職中などで、本当に現金が必要な人にとっての救済方法であることは間違いありません。

 

しかし、この政策を手放しで喜ばず、冷静に考えてみましょう。

 

1)共和党の得票戦略

まず、大統領選挙を11月に控え、庶民にわかりやすい形で現金をばら撒くのは、共和党の明らかな得票戦略です。"Buy the electon"と経済学者やコラムニストから批判されていることも注目すべきです。

 

2)支給額の減額

受給者の分母を増やすことで、1人当たりの支給額が減ってしまい、抜本的で継続的な救済にはつながらない、という論点も無視できません。

 

3)支給が必要でない人が受給しようとする

詳細の支給方法についてはまだ議会で討議中ですが、アメリカ人の気質からみても、高まる経済的な不安や備蓄本能から、現金支給の必要が無い人までが、必要なフリをして受給に殺到するリスクが高い。

 

これらの懸念をわかりやすくまとめた記事を見つけましたのでシェアします。

ワシントン・ポスト誌の記事です(英語)

 

キラキラHere’s why giving every American $1,200 is a really bad ideaキラキラ左差し

 

 

ついにコロナパンデミックは、第二次世界大戦以来の世界的な大混乱、と叫ばれています。

 

「ウィルスという見えない敵と戦うための準備を、現代人は十分にしていない」という、ビル・ゲイツ氏のTEDトークの映像もリンクを貼りました。2015年のスピーチですが、とても説得力があり、ゲイツ氏の先見の明を目の当たりにする素晴らしい動画です。

 

パソコンかTEDチャンネルなら、字幕メニューで日本語字幕を選べます。アメーバアプリ上では字幕メニューが表示されません。

どうぞご覧ください。 

 

キラキラビル・ゲイツ氏のTEDトークキラキラ左差し

 

 

巣ごもりは、こうした優れたジャーナリズムに触れたり、説得力のある映像を冷静に観る絶好の機会です。

 

皆様もどうぞコーヒー