「とにかく!熱い男ですよ」
ミーナPからそう評されていた、第2回「ジャパン・クラスWa`ja」
ゲストは和太鼓奏者・御木裕樹さん!
「和太鼓」と聞いて皆さんはどういうイメージを持つであろうか?
恥ずかしながら筆者は
褌一丁、ねじり鉢巻きで巨大な太鼓をバチで力一杯叩く!
というイメージしかなかった。
その日、筆者はさぞかし重厚で腹の底から響くような迫力ある音を
浴びることになるだろうし、またそれを心ゆくまで堪能しようと思っていた。
だが、その期待は裏切られたのである…勿論いい意味で!!
まず舞台上で巨大な和太鼓が鎮座しているかと思いきや…
そこにあったのは、5種類の和太鼓、
そしてなんとシンバル!がセッティングされているではないか。
アンティークの着物をアロハ風のシャツに仕立てた
「粋」な格好で舞台に現れた御木さん。
そして演奏がはじまる…
静かに、静かにまるで赤子の鼓動のような
デリケートで儚げなタッチから演奏はスタートした。
その音が徐々に変化していく。
バチで太鼓を打つという行為、ただそれだけなのに
その一音一音がまるで表情を持っているかのようだ。
深い眠りから浅い眠りへ…まどろみ、そして覚醒へ!
演奏開始からここまでわずか十数秒!!
この時点で筆者は完全に御木さんの世界に取り込まれてしまった。
5種類ある和太鼓とシンバルを駆使し
繰り出される怒涛のような音のシャワー。
圧倒的な連撃。
何かを求めてやまない魂の叫び。
まるで混乱期の日本の戦国の世のよう。
この曲をその時代に生きた人物に例えると誰であろう…
戦国の世を終わらせた、織田信長か?
いや、違う。もっとプリミティブな暴力性、
エゴイスティックなイメージ。
そんな戦国大名といえば…松永久秀だ!
※松永久秀
> 裏切り、暗殺など悪逆の限りをつくすが
> 連歌や茶道に長けた教養人であり、領国に善政を敷いた名君として
> 現在でも知られているという一言ではくくれない人物。
> あの織田信長が久秀を評して
> 「 常人では一つとして成せない悪事を三つも成した男」
> 一つ目は旧主、三好氏への暗殺と謀略。
> 二つ目は将軍暗殺。
> 三つ目は奈良、東大寺大仏の焼討。
> また日本で初めて自爆死した人。
演奏が終わり、トークタイムで初めて曲名が明かされる…
曲名は「激走」
氏が17歳の時、なんと暴走族のリズミカルなエンジン音から
触発されて作った曲とのこと。
筆者がこの曲に感じた「松永久秀」的な
イメージもあながち間違いではなかろう。
ただ荒々しいだけではなく、松永久秀の持つ
「数寄者」的要素をこの曲の中に感じ取ったのは
御木さん自身の持つ、美意識のせいか…
御木さんご本人も数寄者、いやそれ以上!
数寄者よりさらに数寄に傾いた、現代の「かぶき者」であった。
※かぶき者
> 江戸時代初期にかけて見られた、異風を好み
> 派手な身なりをして、常識を逸脱した行動に走る者たちのこと。
> 茶道や和歌などを好む者を数寄者と呼ぶが、
> 数寄者よりさらに数寄に傾いた者と言う意味である。
> かぶき者たちは、乱暴・狼藉を働く無法者として知られつつ
> 一方ではその男伊達な生き方が共感と賞賛を得てもいた。
それが証明されたのが、その直後に披露された
「盟友」と呼ぶ殺陣師・島口哲朗さんとの
コラボパフォーマンス「斬打」である!
和太鼓の音に合わせ、繰り広げられる大立ち回り・・・
全く新しいことでありながら、同時に伝統的であり
「和」であるという、まさしく「かぶき者」でなければ
表現できない世界であろう。
「現代のかぶき者」
同じ表現の世界に身を置くものとして
御木氏に心から賛辞を贈るものである。
その世界に、また浸れる日がこれることを楽しみにしつつ…
ありがとう…御木裕樹さん。
by.F


