まぎれもなく、そこで生きたことは確かで。
眩しくて目を細めた、誰もいない図書室のひだまり。匂いが好きだった。別の世界へ足を踏み入れたときのような、違う空気に心が弾んだ。
そこでわたしはひどく自由で、ひとりぼっちになることができた。今でもよく夢に見るよ。もう一度行きたいな。
好きだった、から。果たしてそこが失われるとき、わたしはただ笑っていたんだった。好きだった。それなのに。
なくなるなんて思わなかったんだ。それがどういうことなのか、悟ることもできないほど幼くて。
幼くて、幼くて。これほどまで自分が大切に思っていたなんて知らなかったんだ。
淡いグリーンの床にひだまり。眩しくて目を細めた。ひとりぼっちの放課後。カーテンが風になびいた。鼻をかすめる、本の匂い。
好きだった。青い空がのぞく、この窓の傍。好きだった。
好きだった。
