「生徒さんと、今日も30分雑談してたら、
レッスン終わっちゃったぁ✨」
私はとある音楽教室で
声楽講師として働いている時に、
同僚の先生のこの言葉を聞いて、
愕然としました。

生徒さんは、
「歌が上手くなるため」に、
「レッスンを受けるため」に、
来ているんではないのかなぁ?

寂しさを紛らわせるために、
おしゃべり相手が欲しくて
ただ習い事をしているだけなのかなぁ?

きっと彼女の生徒さんは
先生とお話する事が目的で
レッスンに通っているんでしょう。

生徒さんにとっての良い先生は
生徒さんが
「何を求めているのか」によるんだなぁ。と、その時思わされました。

生徒さんが「求めていること」を
「提供できる」のが、良い先生の定義。

結局は、
生徒も先生もハッピーだったら
どんな形もありなんでしょう。

レッスンは
「人と人との交流」
でもあるからです。

(私も昔ピアノを習っていた時に、
「ピアノ」自体よりも、
優しい「先生」がとても好きでした。
その先生に会いたくて、
習っていたようなものでした。)


私は誰かにとっては
良い先生かもしれないけれど、
誰かにとっては
良くない先生なのでしょう。

合う、合わないが
どの人にもあるのでしょう。

それって当たり前のことですよね。

来るもの拒まず、去るもの追わず。
誰にも執着せずに、
いつもそうありたいなぁと思います。

生徒さんは
自分の家族だと思っているので
愛情を感じると、手放すことは
正直とても辛いのですが
愛しているからこそ、
その人にとって
「最善の策」を
いつも提案できる存在でありたいなぁ
と思うのです。

音楽教室に来る生徒さんは
きっとどの先生でもいいって思って
入っていらっしゃるけれど、
私は私を求めてくれる生徒さんに
教えたい。

だからレッスンの心構えを書きました。
これを見ても、
それでも森 裕加里が良い!
と言ってくれる人だけに来てほしい。

生徒さんが、先生を選びます。
だから先生は、最初から、
こういう生徒さんを募集しますよ!という事を明示しておいた方が、
お互いの為になるんではないでしょうか?

私は自分が生徒だとして
自分の先生を探す時は
誰でも良いなんて思わないし、
むしろ、
この人は心の底から信頼できる!
ついていきたい!
と思える人に出会うまでは
探し続けます。

だって、
「モチベーションを上げてくれる人」が
私にとっては良い先生だから。

歌は最初から最後まで
自分自身と向き合い続ける作業です。

行動するのは自分自身。
ただそれを手助けしてくれる人が
いるかいないかどうか。

伸びるか伸びないか
努力できるかできないかは
自分次第なのです。

【馬を水辺に連れて行くことはできても
水を飲ませることはできない。】

教師をやっていて
伸びる生徒さんは
「この人は、どの先生についても
伸びるんだろうなぁ」と思わせてくれます。

先生の気持ちも、生徒の気持ちも
分かるようになった今だからこそ
感じること、考えることが
たくさんあります。


結論:
自分の求めていることを明確にして、
それを提供してくれる人を探す。