昔、学生時代に、何故ホセがカルメンを最後刺すのか理解出来ないという人がいて。

理解する為には、海外の習慣や文化がわからなければいけない。と言っていました。

その時は、「なるほど、そうなのかもな。」と思ったのです。


この前のカルメンを見て、その思いは変わりました。


ホセが極限まで追い込まれていくその様子を見れば、日本の文化、外国の文化関係無く、起こりうる事件だ、と、まざまざと思わせてくれたのです。


仕事と、愛する人。

もちろんどちらも大切にしたい。

昔働いていた郷土料理屋さんの大将が、
「仕事と私どっちを愛してるの?っていう言葉があるけれど。
比べられない。
愛する人と生きていく為に。食べていく為にも仕事が必要だから、それを優先せざるを得ない。」

と仰っていました。

もし、
仕事=自分の誇り。存在意義。
であるならば。

そんな時、どんなに愛していても、それを共有出来なければ、別れざるを得ない、というのは日本でもよくある話。



きっと。
それでも自分のものでいて欲しいという独善。それがホセを突き動かすのじゃないかな、と。


そんな事を深く考えさせられるカルメンでした。