最近見つけた記事です。


http://gigazine.net/news/20140729-fear-inherited/

後天的な「恐怖体験」が、実は子孫に遺伝していくことが判明


By Maestro Pastelero

肉体的・精神的に強いショックを受けたことで、長い間、心の傷となってしまう心的外傷(トラウマ)は、PTSDなどの症状を引き起こすおそれのあるものとして知られています。トラウマは後天的な経験によって発生するもののような感じがしますが、親から遺伝という形で先天的に受け継がれる可能性があることが明らかになりました。

Intergenerational transmission of emotional trauma through amygdala-dependent mother-to-infant transfer of specific fear 
http://www.pnas.org/content/early/2014/07/23/1316740111

Fears can be inherited through smell | The Verge 
http://www.theverge.com/2014/7/28/5944797/fears-can-be-inherited-through-smell

ミシガン大学のヤツェク・デビエッチ博士は、マウスを使って「恐怖体験やトラウマが子世代に遺伝すること」を全米科学アカデミーで発表しました。

デビエッチ博士はメスのマウスに軽い電気ショックを繰り返し与え、そのときにペパーミントの香りをかがせることで、電気ショックという恐怖体験とペパーミントの香りという条件を結びつけることで、ペパーミントの香りを嗅いだだけですくみなど恐怖反応を起こすようになるよう恐怖条件付けを行いました。

その後、ペパーミントの香りを恐れるようになったメスのマウスを、ペパーミントの香りに恐怖条件付けされていないオスのマウスとつがいにさせ、生まれてきた子マウスを母マウスと一緒にした状態でペパーミントの香りを嗅がせたところ、母マウスだけでなく子マウスも恐怖反応を示しました。

By Eddy Van 3000

なお、子どものマウスは人間の赤ちゃんに比べてはるかに未熟な状態で生まれ、目が見えず耳も聞こえないため、生まれた後に恐怖体験を教えられる可能性は低いとのこと。しかし、ペパーミントの香りに恐怖反応を示した母マウスが、その時点で子マウスに「恐怖」を何らかの方法で伝達した可能性はゼロとは言い切れません。

そこで、恐怖体験が後天的に伝達された可能性を完全に排除するために、生まれてきたマウスを母マウスと完全に分離した状態でペパーミントの香りを嗅がせたところ、母マウスがいない状態でも子マウスは恐怖反応を示すことが分かりました。

さらに、恐怖条件付けのされた母マウスの卵子と恐怖条件付けのされていない代理母マウスを使って実験したところ、やはり生まれてきた子マウスは、ペパーミントの香りを嗅がされると恐怖反応を示しました。

By ZEISS Microscopy

以上の通り、恐怖体験が遺伝的に承継されることが確実となったところで、デビエッチ博士の研究チームがマウスの脳を調査。すると、ストレスホルモンであるコルチコステロンが増大し扁桃体が活性化することが確認されたとのこと。

デビエッチ博士は「恐怖体験に関する情報を子世代に遺伝的に承継させることは、外界の危険に関する情報を生まれながらにして取得できるという点で生態学的に重要な仕組みだと考えます」と述べましたが、「人間に関しても恐怖体験が遺伝的に承継されるのか?」については、実験を行うことに倫理的な問題があるため、マウスと同じ形で調べることは現実的ではないとしています。



自分の体には自分が経験したことだけではなくて、親が経験したことも自分に記録されているかもしれない。

この記事では倫理的な問題があるため、人間について同様の研究をすることは現実的ではないとしていますが、ラットに備わっているのであれば、生物学的には人間にも備わっている可能性が高いでしょう。

親の体験が記録されているということは、その親やまたその親までの情報が記録されていてもおかしくない。
そうやって、これまでの先祖の経験した情報が、自分で引き出せないにしても、今の自分に影響しているとしたら?

その情報が良きにつけ、悪しきにつけ、ずっと遡ることのできる先祖の集大成としての自分がいるということになる。

今の自分の考え方や感じ方、行動のパターンなど、自分だと思っていたものが、自分の経験にもとづいたものではないかもしれない。
自分の性格だって、自分だけのものではないかもしれない。

そんないろんな情報の塊である自分。
その情報が自分の体を作っている。
体をよくしようと思った時、やはりその情報を癒してあげないと。

これからの医療は情報医療と言われる。
病気と闘うための医療ではなくて、治癒を作り出す医療へ。

そのような治療を提供し、セミナーなどを通して治癒を作り出す医療を広めていければと思います。

ありがとうございました☆