最後のお別れ | ひっそりと、こっそりと。

ひっそりと、こっそりと。

日々慎ましやか(?)に生きてる人間の生活をちょっとだけ公開なのです

重い腰を上げて、身支度を整える。
黒い服に袖を通すだけで、なんだか気が滅入る。

何度かこういう場には立ち会ったことがあるけれど、それは全て身内のそれで。
友人、という立場では初めて。

同級生でもないし、同じ職場の仲間というわけでもない。
たまにゲームセンターという小さい場所で一緒の時を過ごしたことがあるだけの繋がり。

今までにも数名、そういう繋がりの友人がこの世からいなくなってしまっているけれど、このような場に呼ばれはしなかった。

何となく、居心地は良くなかったけれど気がつけば何十人という見知った顔触れが。
流石に私が知り合うきっかけとなったゲーム繋がりのメンバーは数少なかったけれど、これだけの人数がSの為に集まったことからも、Sの性格が窺い知れるんじゃないだろうか?

最後にSの顔を見る。
お茶目なSのことだから「ドッキリでした~☆ビックリした?」って起きてきそうな気がしてならない。

連絡をくれたSの弟さんに挨拶をし、早々に会場を後にした。
後でゆっくり話をしたいとは言われたが、あれ以上あそこにいたら、私がボロボロになりそうだった。

会場でSとお付き合いをしていた方を見かけたけれどなんと声をかけていいかわからなかった。
もう10年近く付き合っていたと思う。
「結婚」という単語がでなかったのは遅かれ早かれこうなることを知っていたからなのか、なんて思うと涙が溢れそうになる。
実際の所はわからないけれど


早々に会場を去って、向かった先はゲームセンター。
うちらが出会うきっかけとなったゲームセンターにはもうあのゲームはないけれど。
追悼ゲームをしてこようと思う。