※デフォシムのBLです。苦手な方は閲覧をお控えください※
からし「セルジオ、急に呼び出してすまないね。まあ座って」
セルジオ「お話って何ですか?社長」
からし「つかぬことを聞くけど、恋人と上手くいってる?」
セルジオ「え、セクハラですか?」
からし「いや、違うよ笑」
セルジオ(違うよ、って…俺がそう思ったらセクハラだろが…)「話ってそのことですか?」
からし「まあ、そのことでもあるしそのことでもない。恋人とうまく行ってなかったら好都合だと思ったんだけれど」
セルジオ(は?)
からし「うちで新しく売り出そうと思ってる新人女優のまえがみでこ、知ってる?」
セルジオ「はあ」
からし「彼女美人なんだけど、どうも話題性に欠けるんだよね。ドラマか映画か何か一発ヒットしたらって思ってるんだけど演技がからっきし駄目でね。でもあの古典的な可愛さは今も受けると思うから、もっと世間にセンセーショナルな形で売り出したいと思ってるんだ」
からし「…まあそれで、君と付き合ってるってことで売り出したら注目されるんじゃないかって意見が出てね。確かに、ビジュアル的にも良くて絵になるだろ?ハンサムな若手俳優と新人の美人女優で話題にしたいんだよ」
からし「シムチューバーのトラヴィスと付き合ってるのは知ってるけど、その話題も最近大分下火じゃない?向こうの事務所と話をつけることも視野に入れてる。まあ彼と別れろとは言わないけど…ビジネスとしてね、新人女優とセットで売り出せたらなって考えてるわけ」
からし「どうかなあ…」
この日は「節電キャンペーン」で電力が停止。
たまには変わったことしたい、ってことでエバーグリーン・ハーバーにキャンドルの材料を集めに来ました。
トラヴィスくんがリサイクルマシンを動かしている最中、セルジオくんは自律で声援を集めています。
そしてひとしきり人だかりを集めると…
トラヴィスくんを呼んでセレナーデを歌い始めました。
盛り上がる観客。楽しげに写真を撮るパパラッチ。
プライベートでも恋人を大切にするハンサムな俳優、熱いセレナーデを贈る情熱的な俳優…ファンの目にはそう映ったかもしれません。でも…
このセレナーデ、トラヴィスくんにはちょっと逆効果かも…
だって家では最近ほとんど恋愛アクションしないのに、人が集まる場所に来たらこれって、まるで…まるで、パフォーマンスのようじゃないですか。
ローハン「やっぱりセルジオさんってプライベートでも素晴らしい俳優なんだ!」
ペニー「最高〜〜!私もあんな恋人が欲しい!」
トラヴィスくんはどうでしょう。彼は自律で何やら不満を言い始めました。
トラヴィス「…ああいうの、やめてよ」
トラヴィス「家で2人の時、そんなことしてくれないじゃん」
トラヴィス「パパラッチに撮らせたいの?」
帰って来て、キャンドル作りをするトラヴィスくん。
トラヴィス(さっきの、言い過ぎたかな…)
トラヴィス「あつっ」
セルジオくんはその後すぐ、夕食も取らずに眠ってしまいました。
トラヴィス(…どこかからセレナーデが聴こえる。誰かが歌ってるんだ…)
マジで隣の部屋でドア挟んで歌ってた。この2人の仲の良さが眩しい。
有名になればなるほど、名声を手にいれば手に入れるほど何かを失っていく気がする。
何か大事なものを…
セルジオ「お断りします」
セルジオ「俺、トラヴィスとは実際うまく行ってるしそっちで固定のカップルファンがついてるんです。わざわざ話題作りのためにその女優と付き合う必要ないっていうか、むしろ逆効果だと思いますよ。それに…」
セルジオ「俺は、話題になるかどうかや絵になるかどうかで恋人を選ばない!」
からし「…何もそんなに熱くなることないだろう。変なことを言って悪かったよ」