※デフォシムのBLです。苦手な方は閲覧をお控えください※

 

 

わたしは名もなき、しがないタウニー。

 

 

今日…

 

 

世界でいちばん美しいシムに出会った。

 

 

そのひとには美しい尾びれがあり、顔には鮮やかなうろこがある。

スラニに人魚がいると言うのは、人々の間でまことしやかにささやかれている噂だ。私はそのひとに、人魚かどうか尋ねてみた。

 

 

「そうだ」と彼は答えた。

 

 

彼は人魚なのだ。それも世界一美しい。

 

 

彼の周りを泳ぎ回る、もう1人の人魚がいた。

 

 

彼の方は肌が浅黒く、彫の深いハンサムな顔立ちをしている。

 

 

「家に来るか」と聞かれ、私は少し躊躇した。

人魚は美しいだけじゃない…人を喰らうという噂もある。

 

 

人魚の住む家に招かれる。おとぎ話のような出来事ではないだろうか。

 

 

彼らの家にはテレビもステレオもあり、極めて文明的な生活があった。

私は人魚といえば、海の底に住み、人間の使う機械類を何も知らない生活を送っていると思っていた…昨今の人魚は、極めて近代的な生活を送っているらしい。

 

 

家に入って程なくして気づいたが、彼らは愛し合っているのだった。

 

 

家に人が来ることはほとんどないと言う。

彼らは2人だけの静かな生活を愛しているらしい。

 

 

私は人魚ではないが、彼らの気持ちがなんとなくわかるのだった。

 

 

この世界はひどく騒がしい。

 

 

どうしようもなく1人になりたい時がある。

かく言う私も、静かな安らぎを求めてスラニにきたひとりだ。

 

 

でも完全にひとりぼっちになると今度は寂しくなる。

シムとはつくづく自分勝手な生き物だと思う。

 

 

私はそう長居することもなく、人魚たちの住む家をあとにした。

邪魔をしてはいけないと思ったのだ。2人が静かに暮らす家。想像していた人魚の家とはまったく違う、普通の穏やかな生活がある家。

 

 

あれからあの人魚たちに会ったことはない。

後日もう一度訪ねてみると、もうそこに家はなかった。

 

 

あれは私が昼間にみた夢だったのかもしれない。

私は誰にもこのことを話さなかった。

 

 

もう2度と彼らに会うことはない気がした。

それでもスラニの海を見つめるたびに思い出す。

 

 

あの日海にいた、ふたりのゆれる人魚を。

 

 

 

やしの木

 

 

なんかこのタウニーがすごいやらしい目つきでトラヴィスくんを見つめてたのでしゃべらせてみました。

絶対思ってる、美しい人魚に出会ってしまったハッスン…と。


ゆれる人魚、というフレーズは私の好きな映画「ゆれる人魚」からお借りしています目がハート

 

 

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