2015年11月3日引地洋輔ソロ公演『コードH~ピンチヒッター~』@表参道GROUNDに参加しました。
首を長くして待って、やっと今年の4月に第2回の公演に出会えたと思ったら、秋の真ん中で第3回公演のお知らせが。びっくりして、興奮して、お友だちとわいわいと盛り上がりました。
開場の音楽はRAG FAIRさんのアルバム『カラーズ』。見渡すとみんなの口が動いて小さく口ずさんでいて、一気に高揚感が増してきます。
いろんな曲をいっぱい歌ってくれて、それが何よりうれしかったです。
事前にいただいたキーワードはピンチヒッター。正直、ピンチヒッターなんてあんまり関心を寄せて考えたことありません。今回もまた、予習も準備もすることなく真っ白な状態で当日を迎えました。
歌ってくれた歌の主人公はみんな上手くも器用にも生きてなくって。心と頭が紆余曲折しながらも、熱い想いを抱いて前に進もうとしていました。みんな自分の人生を俯瞰で見たら、きっとピンチメイクするのも自分で、でも、どんなピンチの場面でも切り開いたり、切り替えたり、切り崩したりするのも自分だったりして。そう思うと自分のピンチヒッターは自分自身なのかもしれません。
ただ、誰も一人では生きていなくて。一本のヒットのために打席へと背中を押してくれる人、息を飲んで見守ってくれる人、叱咤激励のアドバイスをくれる人、起死回生の場面をともに乗り越えようとしてくれる人。歌詞に出てくる人も、大切な人に囲まれて生きているのがわかります。きっと、みんな、いつだって誰かのピンチヒッターズなのかもしれません。
ステージではバンド“ピンチヒッターズ”のライブ。直前にもかかわらずボーカルがいなくなるという大きなピンチ。急遽、代わりに歌ってこの局面を乗り切ろうという場面。任されたピンチヒッター。彼はこのピンチを、できれば明るく楽しく平和に乗り越えたいと思ったのだと思います。でも、きっと、彼は一発逆転任せとけ!!っていうヒーローヒッタータイプじゃない。だから、このピンチを会場にいるみんなでリカバーしようと思った。みんなで、明るく楽しく平和にリカバーするために、引っ張って行ってくれたんだと思います。ピンチの向こう側へ。だから、楽しかったし、かっこよかったです。とっても。
洋輔さんは歌を見せてくれる人だなぁ、って。歌の主人公の言葉にされていない背景や心情も映し出されて、そこに洋輔さんの生き方や感情、人間性なんかも絶妙にリンクしていて、すごいドラマチックでした。会場で自らお伝えすることのできない歌の主人公に変わって歌う洋輔さんがピンチヒッターだったのかな。なんて。
とにかく歌う洋輔さんがとてもかっこよかったです。
ピンチはチャンスじゃなくって、ピンチはピンチとして受け止めるって、斬新だけどストンと腑に落ちました。ピンチはピンチだから、「いやー、ピンチ、ピンチ、大ピンチ!!」なんて言いながら、頭抱えて俯いて、それでも前に足を踏み出して行くのも人の性なのかな、って。渦中にいたらそんな楽観的にも言えないですけど、少なくともピンチはチャンスと綺麗事を唱えるよりもずっとポジティブに思えます。素直に頑張れる。すごいなぁ。ほんと、私の常識ピンチだったかもしれません。
拡大解釈も曲解も誤解もありますが、ピンチヒッターってキーワードで思い巡らせていったら、想像が広がってしまいました。とりとめないですね。
もう、気持ちも思考も満ち満ちです。
ご一緒していただいたみなさまありがとうございます。
そして、洋輔さん素敵な公演をありがとうございます。大切な人、大好きな人に会いたくなりました。まだまだ洋輔さんの声で聴きたい曲がいっぱいあります。いつか、また、なにかが心に触れた時には、ステージでお伝えいただけるのを楽しみにしています。本当にありがとうございます。