『善玉王国物語ⅲ ~父と子の物語~②』 | 加賀美新悟 『俺のブログ』

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『善玉王国物語ⅲ ~父と子の物語~』

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『善玉王国物語ⅱ~お母さんの詩~』


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『善玉王国物語ⅲ ~父と子の物語~②』
  
  
「本当にすごかったんだよ!!」 
  
王子さまは 終えたばかりの「勇者の旅」の様子を 
  
なんとかばあやに伝えようと

一生懸命です 

  
飛んだり跳ねたり 部屋中を駆け回って大興奮。 
  
「はい。さっきからそれはもう何回何回も 
  
ばあやは聞かせていただいていますよ」 
  
そんな様子を 乳母は楽しそうに聞いていました。 

  
「巨大なウナギを倒したんだよ」 
「海の中から お空の雲の上まで飛びかかってきたんだ」 
  
このウナギの話も3回目でしたが  
  
乳母は目を丸くして驚いて見せました。  
  

「明日またゆっくり聞かせてくださいませ」 
  
小さな王子さまのブランケットを
胸まで引き上げて 
  
乳母は優しく笑いました。 

  
王子さまはちょっぴり残念に思いましたが 
  
一度ベットに横になると 急に疲れがおそってきます。 
  
「うん。おやすみなさい。また明日
話してあげるからね。」 

  
一回り大きくなったように感じられる王子さまを見つめると 
  
乳母はそっとロウソクの明かりを吹き消しました。 
  
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  
  
「ええええ~!これって食べれるの!?」 
  
「もちろんだよ とってもおいしいんだ 
  
さあここからナイフを刺してごらん」 
  
善玉王様は さっき二人で

大立ち回りの末に  たおしたばかりの 
  
巨大ウナギを食べようと言いました。 
  
「げー・・・」 
  
黒くてヌルヌルしたこの物体がおいしいなんて… 
  
絶対にウソだ~!! 
  
そう思うのだけれど  
  
「父さまは絶対にウソは言わない」 
  
王子さまは恐る恐る  
  
ウナギの横に立っている善玉王様の隣へ足をすすめました 
  
「さぁ感謝の祈りをささげよう」 
  
「こいつのおかげで この付近に住む民は 
  
しばらく食料を心配せずに済む」 
  
  
善玉王様に教えてもらった『感謝の祈り』を唱え 
  
ウナギをさばこうと ナイフを動かします
  
「あれあれあれ…何なのコレ?全然刺さらないよ~」 
  
ヌルヌルの体液がジャマをするのか 
  
王子さまのナイフはちっとも刺さりません。 
  
「ちゃんとナイフの先まで 氣をのせるんだ」 
  
善玉王様がナイフをひらめかせると  
  
まるでチーズのように簡単に刺さりました。 
  
「さぁやってごらん」 
  
そう 王子さまを励まします。 
  
手を取って 
何度も何度も根氣よく教えてくれる王様に 
  
王子さまの口から自然と 
  
「できる できる できる やれる やれる やれる」 
  
いつも父さまに言われている言葉が口からこぼれました。 
  
  
「そうさ おまえならこんなの簡単にできる 
  
ただちょっと練習が必要なだけさ」 
  
おどけたように言う  善玉王様の顔を見て 
  
王子さまも笑いだしました。 
  
「そうだよ!僕ならできる!こんなのかんたんだよ」 
  

  
そう言って笑いながら振り下ろしたナイフが 
見事に刺さったこと 
  
ウナギをさばくのまで全部 
教わりながら自分でやったこと 
  
父さまが魔法みたいに作ってくれた 
  
ウナギのたれのおいしかったこと 
  
「かば焼きって言うんだ・・・ 
  
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ばあやもきっと食べたことはないから 教えてあげないと…」               
  
うとうとしながら 王子さまは明日 
  
みんなに話して聞かせることを考えました。 
  
  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
  

  
「父さま!!あそこだよ」 
  
王子さまが指さした森の入り口に

二人は降り立ちました。 

  
「ここからは歩いていこう」 
  
善玉王様は王子さまを
さりげなくかばいながら 歩き出しました 
  
森の奥の方から   大きくてつよくてあたたかい力を感じます 
  
「なんだか僕を呼んでるみたいだ…」 
  
王子さまはぬかるんだ足元も氣にせずに駆け出しました。
 
  
大きな茂みをかき分けて  
飛び込んだ先が急に大きく開けています 
  
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「見つけたな ここが智慧(ちえ)の泉だよ」 
  
  
不思議な色をした水を湛(たた)えた泉です。 
  
引き寄せられるように 一歩 二歩… 
  
王子さまが泉の正面に立ったときです
 
  
  
「あなたが欲しいのは金と銀 どっちですか?」 
  
突然目の前に女神さまが現れました!! 

  
泉の女神さまは 金色の髪を奇麗に短く整えて 
  
お肌は陶器のように白く 
頬は美しいピンク色 
  
そしてお顔はツヤツヤで 全身光り輝いています 
  
  
「あなたが欲しいのは 金のクリームですか?
銀のクリームですか?」 
  
女神さまが繰り返します 
  
「金のクリームはヒト由来幹細胞の  

お肌がみるみる若返って 
  
傷も魔法のようにいやしてくれる!

大セレブクリーム」 

  
「銀のクリームは植物由来幹細胞の 
普通のクリーム」 
  
「あなたが欲しいのは どっちですか?」 
  
クリームを手にした女神さまが 
優しく問いかけてきます 
  

王子さまは善玉王様を振り返りました 
  
王様は親指をグッと立ててうなずいてくれました 
  
「もちろん こっちの『金の大セレブクリーム』が欲しいです!!」 
  
王子さまは お家で待っている王妃様のために 
  
どうしてもこの『ヒト由来幹細胞』でできた 
  
『女神さまの魔法の大セレブクリーム』を
持って帰りたくなったのです

  
「王子さま あなたはとっても素直で 真実がわかる良い子ね」 
  
女神さまは嬉しそうに言うと 
  
「正直に言ったご褒美に この金のクリームをあげましょう」 
  
王子さまに『金のクリーム』を差し出すと 
  
女神様はスーッと消えてしまいました。 

  
「いつもそのように 自分の氣持ちや欲しいものを 
  
素直に言葉に出すのですよ… 
  
そうすれば必ず あらゆるものを

引き寄せることが出来ますからね」 
  
王子さまの頭の中に 
女神さまの言葉が響きました 

  
こうして王子さまは『金のクリーム』と共に 
  
引き寄せの魔法の真実を手に入れたのです。 
  

  
「さぁ あの光の下へ行ってごらん」 
  
善玉王様は泉の中心を指し示しました 。
  
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泉の真ん中には 真っ白い光が 
  
天からふりそそいでいます 
  
  
「今のお前なら泉の上を歩けるはずだょ」 
  
王様に促されて 王子さまは光に向かって 
  
ゆっくり水の上を歩き始めました 
  
  
眩い光の中心に立つと  
  
王子さまは自分の胸の奥から 不思議な感覚が 
  
湧き出てくるのを感じました 
  
何ごとにも揺るがない あらゆることに打ち勝つ 
  
信じる心… 

  
「今 お前が手に入れたのが『不動心(ふどうしん)』だよ」 
  
「この国の民を導いていくのに   どうしても必要な力だ」 
  
そう善玉王様が言いました。 

  
  
そう、この『勇者の旅』は

『不動心(ふどうしん)』を手にするための旅だったのです。 

  
こうして見事に『不動心(ふどうしん)』と『引き寄せの魔法』

を手に入れた   王子さまと善玉王様は 

王妃様へ『金の大セレブクリーム』という 
  
素晴らしいお土産をもって 

お城へと帰りました。 
  

  
めでたしめでたし(笑)