天下 by 火坂雅志 | ~ゆるり~Precious Life with Venus

~ゆるり~Precious Life with Venus

カメラ片手に歩く愉しみを覚えてから、
いつもどこかで写真を撮っています
愛しきもの、美しきもの、心和ませてくれるものを探し求めて

 

晴耕雨読ならぬ

晴撮雨読の私ですが、

雨の日は静かに読書がいいですね。

不調で外に出るのも億劫な日々は、

本を積み上げてどれを読もう??なんて

楽しんでいます。

 

 

2013年から2014年の

日本経済新聞の夕刊に掲載された

『天下』という長編小説。

 

連載されていたときも、

ところどころ読んではいたのですが、

全部しっかり読んでみたいと思い、

図書館で借りて読みました。

 

著者の火坂雅志さんは

2015年に58歳という若さで急逝されています。

 

山本兼一さんといい、

この火坂雅志さんといい、

まだまだたくさんの歴史小説を書いて欲しかった

作家さんが亡くなってしまうのは、

本当に残念です。

 

 

『天下』は

徳川家康から見た戦国時代が描かれており、

教科書で習った

「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」の印象の家康とは

また全く違った家康像に

触れることができます。

 

苦労の多かった織田家、今川家での人質時代、

盟友 織田信長との関係、

女性関係などなど、

意外な家康の顔を見ることができる

大河ドラマ的歴史小説です。

 

 

家康の明智光秀との会話が

印象に残っています。

 

家康

「明智どの。それがしは、人生とは失うものと得るものが、

最後にはちょうど釣り合うようにできていると考える」

 

光秀

「失うものと得るものが釣り合う。

それはどういうことでござるかな」

 

家康

「若いときにどれほど多くの幸運にめぐまれた者でも、

晩年にいたってその運がつづくとはかぎらぬ。

また、苦労つづきの人生でも、

老境に差しかかかって、

突然、向こうから運気が押し寄せてくることもある。

多くを失っても、腐らず、投げやりにならず、

潮がめぐってくるのを待っておれば、

いつか必ず帳尻が合うと、

それがしは信じて生きておるのです」

 

光秀

「なるほど、そのような考えもあるか。

しかしのう、徳川どの。

わしはすでに五十なかば、

何かを信じよといっても先が短い。

人生のやり返しがきかぬのだ」

 

 

 

この会話がされたのは、

本能寺の変の少し前のこと。

 

 

光秀はこのとき、

すでに信長を討つ覚悟を決めていたのでしょうか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

読み応えのある小説です。

 

 

 

 

 

 

 

雨の夜はジャズを聴きながらウイスキーを飲む夫。

 

いや、毎晩飲んでるか・・・

 

 

下戸の私は、

琥珀色の美しい液体を撮るだけ・・・(笑)

 

 

 

 

 

各地で大雨の被害が出ていますね。

 

みなさんもお気を付けくださいね。

 

 

 

ペタしてね